”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ワインレッドな高橋真梨子

土曜日の真昼間、幾らなんでも月末の集計作業をやりながら聴く曲ではないだろう、、とは思ったのだが昨晩ワインならぬ一升瓶を抱えながら聴いた余韻と言うかその勢いで、、。

ボケ防止に”guchリークス”とでも新しい書庫に命名しもう時効になったホテル業時代の裏話でも掲載してみようかとも思ったのだがやはりそれはうん十年経過しても黒子に徹すると断言した以上ダメだろう、、でもこの人の”ちょっと良い話”は鮮明に覚えている。

確か時は85年頃だったと思うのだが当時ホテルでは閑散期に外国人タレントさんを招聘して開催するディナーショーがもてはやされていた。常時音楽会などを開く会場とは違って音響効果は然程良くないし観客席だって一般に使用される宴会用のもの、、何せ普段は結婚式などでの利用が一番多い宴会場だし常設ステージがある訳じゃない。しかしまあ其処は日本のホテル、要望によっては日本庭園だって作れるし氷細工もお手の物、模擬店を出して焼き鳥やら寿司カウンター、、更には中華や鉄板焼きまで何でもやる事が出来た。

立食で800人程度が入れる会場でも着席で収容するとなるとステージや楽団の場所、音響装置や照明を確保して精々400人程度しか入れない。普通は食後にディナーショーなので逆算すると6時半くらいにはお客様には着席を願い食事のスタートとなる。

そして外国人タレントばかりじゃなくタマには日本人歌手のディナーショーはどうかとプロダクションと交渉、その結果、開催が決まりディナーショー当日には宴会場もすっかり衣替え、立派なステージが完成した。昼の宴会が終わり業界用語では”どんでん”と称して新たに短時間で会場を設営するのだが2時過ぎには音響効果を確認する為に担当者が来館、入念な打ち合わせだ。時間割に従って曲目、お喋りの時間、、司会者との打ち合わせと進んで行く。

会場は最後の準備に忙しい、、その最中、壇上から”お願いします、全員外へ出てください”そして係員全員が退出した後で入念なリハーサルを、、、我々ホテル側は未だテーブルセッティングも終わっていないと言うのに退去させられこれじゃ”準備が出来ないぞ~、”、と現場からは矢の催促。上司は”誰だそんなわがままな事を言っている歌手は?”と今度はこっちに矛先が、。

その時、日本人女性歌手として絶大な人気のあったこの人に白羽の矢が立ちその人が、元ペドロ&カプリシャス高橋真梨子だったと知ったのであります。普段は係員がテーブルを並べ、食器を配膳している中でもリハーサルをするもんだと理解していた我々には驚きの光景でした。プロに徹して決して妥協は許さずに最後まで本番同様のリハーサルを続ける高橋真梨子に全員がいたく感動したものです。しかし時間が押してくるし、、外にいる我々はもうイライラの極地、間に合わなかったらと思うと冷や汗が、、そしてもう5時半になろうとする頃、、やっと”皆さん、お待たせしました~、、”の声と共に会場のドアが開き待機していた配膳会から派遣されたウェイターたちが宴会場へ流れ込んでいく。こうなりゃもうお得意の人海戦術、ものの30分程度で400人分の食器、ワイングラスを並べ終え辛うじて早目に来られたお客様を案内する事が出来たのでありました、、。

当時はこの”ワインレッド”は歌っていなかった気がするのだがそんなエピソードを思い出しながら日本酒に揺れ動かされた晩でした。いや~、、当時も実に素晴らしいステージでしたよ。




↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。