独断と偏見で選出したスパイ映画の”傑作”です。
”針の眼”、原題は”Eye Of The Needle”(81年)
原作はケン・フォレット、彼の描写はかなりきわどいので映画化が心配だった。フェイバーと言うドイツのスパイを演じたのはドナルド・サザーランド、彼を愛してしまう人妻にケイト・ネリガン、、アクション満載のスパイ映画ではなく第二次大戦末期、連合軍がフランス本土の何処へ上陸するのかを突き止める使命を帯びたスパイが暗躍、そして人妻に心を許してしまうと言うサスペンス度満点の秀作でした。タイトルの”針の眼”と言うのは主人公が何時も携帯し、必要に応じて使う細身の短剣、、日本なら”必殺仕置人”が使いそうな武器から来ている。
”シリアナ”、原題は”Syriana"(05年)
シリアナと言う中東の架空の国を舞台にジョージ・クルーニーがCIAのたってのお願いで最後のご奉公に向かうと言う設定。マット・デイモンやクリス・クーパーも出演、各国が石油の利権を巡り暗躍する真実味ある内容の力作。
”ロシア・ハウス”、原題は”The Russia House"(90年)
原作はスパイ小説の第一人者、ジョン・ル・カレ、主演はショーン・コネリーとミッシェル・ファイファー。ソ連で開催された展示会会場で出版社、社長のバリー(S・コネリー)はソ連の核兵器に関連した重要な本を手渡される、、その本の所在を巡ってCIA、KGBやMI6が暗躍するスリリングなストーリーが、、、さて主人公二人がどうなるのか、最後まで目が離せません。
”テイラー・オブ・パナマ”、原題は”The Tailor Of Panama"(01年)
おっとこれも原作はジョン・ル・カレ、、翻訳時の邦題は”パナマの仕立て屋”だったのだが、、何でこれじゃいかんのかな?主演はピアース・ブロスナンとジェフリーラッシュ。ダメ・スパイのアンディ(P・ブロスナン)は日頃のぐうたらが災いしてパナマへ左遷されてしまう、、それがパナマで仕立て屋を営むハリー(G・ラッシュ)に近づいて自分の失地挽回の手を講じる、、と言う”頭脳勝負”のスパイ映画で仕立て屋の妻にジェイミー・リー・カーチスが扮している。
”今そこにある危機”(94年)、原題は”Clear And Present Danger"
原作を書いたのはトム・クランシー、一連のジャック・ライアン・シリーズである。この映画ではハリソン・フォードがジャックを演じている。シリーズとしては”レッド・オクトーバーを追え”や”ペイトリオット・ゲーム”などなど、、多くが映画化されているのだが今回は南米から運ばれてくる麻薬ルート解明に専念するジャックが大活躍、本来はデスクワークで分析を専門としているのだがやむ無く現場へ駆り出されると言う筋書き、苦悩する大統領や同じCIAで対立する担当者が別の大統領候補に繋がっていたりと予想を翻す展開、コイツはすこぶる付きの秀作だった。
”寒い国から帰ってきたスパイ”(65年)、原題は”The Spy Who Came In From The Cold"
原作はやはりジョン・ル・カレ、、監督はマーティン・リット、主演はリチャード・バートンでこれはもうスパイ道の古典映画かも知れない。背景は英・ソの緊張が高まる時代、そこへ米も絡んで三つ巴の展開が、時代背景が当時の状況に合致しているし本当の諜報戦線はこんななのかな、、と感じさせる一作だ。
監督は今は亡きトニー・スコット、主演はロバート・レッドフォード、、引退間際のCIA分析官を演じ、ブラッド・ピットが現場の工作員、。引退間際の最後の一日を描くこれもスパイ映画の”秀作”だ、、”名作”に向かっている最中かも知れない。
香港支局からの電話が発端、ずっと自分の優秀な部下、工作員として行動していたビショップ(B・ピット)が中国当局に逮捕されたと言う連絡が入る。その全貌を解明し何とかビショップをアメリカへ連れ返す為に知恵を絞り、CIA内部で虚々実々の綱渡りを演じるネイサン(R・レッドフォード)が実に素晴らしい、、。
”国際諜報局”(65年)、原題は”The Ipcress File"
原作はレン・デイトンで主演のハリー・パーマーを演じたのはマイケル・ケイン、、制作は007シリーズでもお馴染みのハリー・サルツマン。この時代の映画はもう無条件に”秀作”だと勝手に解釈している、、やはり英・ソの冷戦時代が背景に実際にあったし映画の背景が現実感を帯びていた。それに主役陣の個性が光っているし妙に共感を呼んだものだ、憧れかな。
”007/カジノ・ロワイヤル”(06年)、原題は”Casino Royale"
やはりスパイ映画と言えばジェームス・ボンドは外せないだろう、、。23作ある中から代表作として選出したいのは”ロシアより愛をこめて”そして”スカイフォール”だがこのダニエル・クレイグ・ボンドは映画のプロット、脚本、背景設定と全てにおいて単なるアクション映画を超えた会心の出来、非情に徹したボンドが描かれ時代を先取りしたシビアな映画に仕上がっていた。そりゃおっさん世代としてはショーン・コネリー・ボンドが一番だが総合的な映画の出来としてはこれは入れないわけにはいかない。
原作はやはりジョン・ル・カレ、、で演じたのはスマイリーがゲイリー・オールドマンだった。これはもう文句なしの秀作で2015年現在、一番”名作”に近いかも、、。かなり個人的な思い入れが入るのだが見事に原作を生かした映像、更に脚本の良さ、背景、演技陣、、撮影、音響効果と何れも素晴らしい出来である。コリン・ファース、トム・ハーディ、マーク・ストロング、ベネディクト・カンパーパッチ、キーラン・ハインズ、、ジョン・ハートとすべての配役が見事にハマっている。
このジャンル、実はまだまだ秀作が沢山ある。”ソルト”と言う女性のスパイだっていたし”ニキータ”や”アサシン”もいるのだが(殺し屋と混同してる)、、”ジャッカルの日”のジャッカルや”ボーン・アイデンティティ”のジェーソン・ボーンも入れたいのだがアイツらの本職は同じように殺し屋だった、、諜報活動とは一線を画していた気がするのでこのリスティングにはご遠慮願った。
こうして自分で記事にしていると自分が何に傾注しているのかが判るような、、アクション満載もそりゃそれで良いのだがやはり現実味があってアタマを捻って考えてしまう内容で、それに魅力ある配役陣は欠かせない。映画用に書き下ろされた作品より原作が既に書かれてベスト・セラーになった映画が圧倒的に多いって事にも驚きだがジョン・ル・カレの作品はイアン・フレミングやトム・クランシー、、それにジョン・デイトンをも超越していた。
ありゃ~、、気がついたら朝飯も食わずにずっとPCの前にいたよ、、これだけでもう疲れたじゃないか、、でも何となく以前にも記事にしているような、、いや絶対に書いているぞ、ご容赦を。
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