”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”クライム・ヒート”(14年)

原題は”The Drop"、、邦題が”クライム・ヒート”、、う~ん、、判らないでもないのだが、。この”ドロップ”と言うのは犯罪組織が賭けの売上金を回収する為にとあるニューヨークの古ぼけたバーの酒棚に仕込んだ投函箱兼金庫の事である。

それが邦題では一気に映画の本質を突く”犯罪がヒートアップ”だ。主演は今、引っ張りだこで一番人気のトム・ハーディ、、共演するのはノオミ・ラパス、昨年は”チャイルド44”で共演している。ボブ(トムハ)はブルックリンの酒場のバーテンダー、気だてが良く、親切、しかもく○がつく程の真面目振り、これじゃ犯罪映画になるのか?と思わせる。ナディア(ノオミ・ラパス)は通り掛りのねいちゃん、、近所に住んでいるのだが一切彼とは関わりがない。

イメージ 1その何処にでもあるような古ぼけたバー、実はシマをチェチェン出身のコワイお兄さん達が仕切っていてこのバーも彼ら一家の所有、そのバーをボブと従兄弟のおっさんマーブと二人で切り盛りしているのだが定期的に町のギャングどもが大金を持って来ちゃ酒棚の下に隠された金庫へ現金を投函していく。その管理も彼らの仕事でこれまた定期的に現金をオヤブンに届けに行く事になっている。

そのバーにある晩、押し込み二人組の強盗が入りマーブにレジをこじ開けさせて6千ドルかを奪って逃げる。銃を突きつけられていたボブは仮面で顔は判別出来ないものの銃を握った手に動かずに止まっている時計を見てしまう。

警察での取り調べが終わりやっと深夜に帰宅途中、ある家の前を通ると犬の鳴き声が、、、真面目で親切なボブ君、これは放っては置けない、声のする場所を探すと何とゴミ缶に捨てられているブルテリの子犬が、、。

イメージ 2こんな感じの子犬、、ヤバい、この展開はマズイかな、、と思いきやボブ君がゴソゴソやっているので”アンタ、ゴミ缶で何やってのさ”と出てきたのが、、ナディア。どうもこの家の住人らしいが子犬の事は全く知らない様子、、。まあブルテリアは大きくなると凶暴だしとても家庭で飼えるペットじゃないのだがこの映画ではメッチャ可愛いのだ。


結局双方で押し付け合うのだがボブ君が引き取る事に、、名前も”ロッコ”と命名し暮らし始める、、ここで終わると”山なし谷なし、、変化の欠片もない映画”で終わってしまうのだがここからが本番だ。

どうも日本では劇場公開もされずそのままDVDデビューらしい、、何でだろう??そりゃ確かに地味な映画だがちょっと異色の犯罪映画、それにトム・ハーディノオミ・ラパス、、この二人じゃ観客動員は難しいのか??

映画はその後、例の押し込み強盗は従兄弟のおっさん、マーブが金に困って加担したことが判明、そしてボブが犯人の一人が”3時半だかを指して止まった時計をしていた”と証言したのでその腕時計をしたままの右腕と盗まれた現金がバーの玄関に押し込まれて戻って来る。これでチェチェンのオヤブンさんには盗まれた現金を返す事が出来てボブはホッとするのだが、、今度は町の筋金入りのワルいあんちゃんが”お前、オレの犬を飼っているんだってな、、”と迫ってくる。

そんなこんなで、、、このワルは結局ナディアの別れたボーイ・フレンドって事が判る。そして彼もこの裏寂れたバーに現金が集金される事を感づきボブを脅して来るのだが、、。この映画はトム・ハーディの孤独な真面目人生、それに親切心がいっぱい詰まった人物像に見る側が共鳴を受ける。しがないバーテンダーだがオヤブン達には信頼も厚く決して自身がバーのオーナーになれる訳じゃないのだが直向きな姿に心が打たれる、、チョイと大袈裟かな??

終盤には従兄弟のマーブもオヤブン達に始末されボブを脅かしていたワルも排除、晴れてナディアとロッコと深夜のブルックリンの街中へ散歩に出ようとする、、ナディアに”ちょっと待ってコートを取ってくるから”、、、と言われさてそのまま帰って来ないのか或いは二人に将来はあるんだろうか??と思わせる演出には思わず手を叩いちまった、、。

コイツはFOXさん配信してくれてありがとう、、と☆3個半くらいは進呈したい。でも先月は10日間も不在だったのに定額を払っているんだし、、。もっと見逃している”良い映画”が沢山あるんだからどんどん放映してくださいな、。

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