”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”黒衣の花嫁”(68年)

FOXさんのラインアップを何気なく眺めていたら、、”The Bride Wore Black"とある、ウン、これはひょっとするとひょっとするぜ、、と配役を見たらジャンヌ・モローだ、、、もう間違いない”黒衣の花嫁”じゃん、気を付けてないと時々こんなフィルム・ノワールを放映してくれるので油断も隙もあったもんじゃない。

イメージ 1確かこれはジャンヌ・モローがアラフォーになるかならないかの頃で”突然炎のごとく”でフランソワ・トリュフォー監督作品に出てから7年後になる。実は原作はウィリアム・アイリッシュと言うアメリカの推理小説作家だ。パトリシア・ハイスミスの原作を”太陽がいっぱい”としてフランスで制作され大成功したのと同じ手法と言えるだろう。

ストーリーはごく簡単、幼馴染との結婚式、その指輪を交換する間際に何者かによって夫となる筈のダビッドが撃たれて亡くなってしまう。そして年月を掛けてこの時の”重要参考人”、、容疑者を一人ずつ抹殺して行くと誓ったジュリー(ジャンヌ・モロー)が復讐の旅に出ると言う展開だ。

イメージ 2
そもそも何故ダビットが撃たれたのか??誰に??その辺りの説明は一切ないのでナンで男に近づいちゃ容赦なく手にかけるのは全く不明、、最初は相手をバルコニーから突き落とす、、次は毒殺、窒息死、、弓矢に拳銃、、ナイフまで5人を殺るのに飛び道具やら色々、、あれっ憎き相手は5人、これじゃ殺しの方法が一つ多いかな??と言う訳で完全に殺し屋、ジュリーになっている。

終盤はチョイとひと捻りが効いているが何人目からの殺しでやっとダビッドが撃たれた理由、そして誰が撃ったのかが判明して来る。この辺りの展開がトリュフォー監督ならではの手法だ。

このスチールのマイケル・ローンズデイル、古くは”ジャッカルの日”でパリの警部を演じた、日夜必死でジャッカルの足取りを追う執念の刑事役が印象的、更にはロバート・デ・ニーロが主演した”Ronin"では熱く日本の武士道を語っていたし”007/ムーンレイカー”では悪役、名作”日の名残り”、”薔薇の名前”にも出ていたオールラウンドのバイプレーヤーだ。この映画では残念ながら階段下の狭い部屋に押し込められてしまうのだが、、。

この時代のフランス映画は独特の”香り”がした。フィルム・ノワールと一言で片付けられるケースが多いのも事実だがアラン・ドロンにしろジャン・ポール・ベルモンドにしろモーリス・ロネからイブ・モンタン、古くはジャン・ギャバン、その巧みなプロットの組立、斬新な舞台や背景はアメリカ映画を超越していたような気がするのだが、、。特に大好きなミステリーのジャンルに関しては正統派イギリスの謎解きモノに匹敵するおもしろさだった。例えその原作がアメリカ人によるものであってもあの雰囲気はアメリカ映画ではどうやっても出てこない、、、。


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