”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”フォックスキャッチャー”(14年)

原題の”Foxcatcher"、これは実話でアメリカのレスリングチーム名だ。何故か他の映画のタイトルと混合してたのか秀作でオスカーにもノミネートされた作品とは知っていたのだがこれまで見て見ぬふりをしてスルーしていた。それに基になっているレスリング・チームを主宰するデュポン家の御曹司の悲惨な事件の顛末を知っていたので知らずに敬遠していたのかも、、これは先の”イミテーション・ゲーム”にも通じているかな、、あっちも結末を知っていただけに見る決心をするまで大分時間を要した。

その心情もfpdさんに勧められて敢え無く頓挫、fpdさんはどうやらmoreさんから勧められたらしいのだがトコロテン式に今度はオーストラリアまで評価が巡って来たと言う結果だ。アメリカ映画を日本経由で教えられオーストラリアで見るなんてのは実に国際的だよ。

主演はスティーブ・カレル、チャニング・テイタム、そしてマーク・ラファロの三人に集約される。兎に角、これまでの”お笑い系”、スティーブ・カレルからは想像出来ないメイクと演技、これはオスカーにノミネートされた事が充分納得出来た。主演男優賞は”博士と彼女のセオリー”のエディ・レッドメインへ、助演男優賞は”セッション”のJ.K.シモンズへ行ってしまったのだが素晴らしい演技だった。

イメージ 1映画でのスティーブ・カレル、、とホンモノのデュポン氏(右)。終始上から目線での演技、歩き方、そして鼻への特殊メイク、更にはセリフ回し、と(本物の声は聞いた事がないのだが、)どれも苦心して取り組んだ結果だと推察出来る。

イメージ 2
背景は84年のロス・オリンピック。82g級フリー・スタイルで金メダルを獲得、その力量を認められ大富豪のデュポン家の御曹司、ジョンが率いるレスリング・チーム、”フォックスキャッチャー”の一員にならないかとヘッドハンティングされる。

目指すは88年のソウル・オリンピックって事になり有望な選手を集めてデュポン家の豪邸でが合宿が始まる。此処までは順風満帆、資金力にモノを言わせ最新設備でのトレーニング、そしてマーク・シュルツは世界選手権では連続85、87年と連続して金メダルを制覇だ。

多くの”スポ根”ものがそうであるように此処でも別にレスリングのルールを知らずとも映画にはついて行ける。ただ事実である事から結果が判っている事を利用してお話が前後するので”うん、今は何時だ?”と考えるシーンもあるのだが、。

まあレスリングのシーンはさて置いて、この二人の葛藤、そしてマークの兄ちゃん(デイブ役のマーク・ラファロ)が加わって三角関係が構築されていくところからデュポン氏の”統合失調症”が顕著になる。きっかけは母親(ヴァネッサ・レッドグレイブ)が死去したあたりからだがデュポン家と言えばロックフェラー家にも並ぶアメリカ有数の大富豪一家だし想像を絶する資産家だ。彼個人は鳥類に造詣が深くマイアミ大学で動物学の学位を取得しているし若い頃からその財力を利用し博物館等の運営にも携わっていた。

38年生まれなのでこの映画の背景になった時期は50代、、そして運命の事件が起きたのが96年、即ちジョンが58歳の時だった。そして収容されていたペンシルヴァニアの刑務所で亡くなったのが10年12月9日、72歳の時だった。何かジョンの伝記みたいになっちまったな、、しかし何回も見たくなる映画ではないのだが実に”巧み”に”演じられ””書かれた”秀作には違いない。

さてfpdさん、次はナニを勧めてくれますかぁ??邦画はだめですよあっ、今日は”日曜日はダメよ”だった。

fpdさんとmoreさん、お二人のブログです。


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