”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ディーパンの闘い”(15年)

FOXの外国映画専門のチャンネル、ワールドムービーのタイトルに”Dheepan"と書いてある。うん、カタカナで書くと”ディーパン(?)”これは確か何方かのブログで読んだ記憶があるぞ、、っで調べたら邦題が”ディーパンの闘い”、これだ!

イメージ 1ちょいとこの映画の背景を、、

その昔はセイロンと呼ばれた国、インドの南東に”おへそ”のようにある島国である。80年代からずっと民族対立による内戦が続き09年に政府側から内戦終結が発表されるまでは悲惨な戦いが続いていた。

その内戦時のタミル側の兵士、ディーパンは妻子を殺されこのスリランカを去る決心をする。そして難民申請をするのだが同時にテント生活をしていたヤリニは自分でも外国へ逃れる決心を、、そして身寄りのない少女、イラヤルの手を無理やり引っ張り自分の娘だ、、と偽る。そして更にディーパンの妻子としてにわか”家族”となるのだ。

映画はここまで一気に来る、、、もう見ている側がハラハラする暇もないくらいに、、そして一転、場面は彼らの落ち着き先フランスへ。難民救済センターみたいな所に三人で住み、ディーパンは街頭で物売りをしているのだが警察の手入れがあったりで思うような生活が送れない。そんな時に難民を受け入れた時の担当者の紹介で郊外のボロいアパート群の”管理人”の職を得る。

そしてここからが”ディーパンの闘い”だ。その団地はもう織り壊し寸前でどうやら麻薬取引の巣窟となっている。チンピラ同士の撃ち合いがあったりフランス語の不自由なヤリニがメイドとして面倒を見ることになったおっちゃんや其処へ出入りする若いあんちゃんはどうやら首謀者でこの取引で生計を立てているようだ。

そうやって物語は淡々と進むのだがフランス語が多少判る少女、イラヤルが学校でイジメにあったり馴染めなかったり、ヤリニとの交流、、ヤリニにしてみりゃ何処の誰かも判らない少女、難民申請をするのに家族としていたほうが都合が良かっただけなのにそれに名前しか知らなかったディーパンはちゃんと働いて稼いで来るし、、そんな境遇でそれなりに親密になって行くのだ。この辺りの描写は実に巧い。

団地で銃撃があった後、ヤリニは”もうワタシはこんなところは嫌よ”、”従兄弟を頼ってイギリスに渡る”っと啖呵を切る。ディーパンは”じゃ、イラヤルはどうするんだぁ~、、連れて行かないのか?”と詰め寄られこの単独行動は敢え無く挫折。しかしこの事件を境にディーパンもヤリニも、そしてイラヤルも家族として一心同体の生活を覚悟するのです。それにはディーパンがもう一度、兵士として彼らの幸せな生活を掴み取る為に立ち上がらないといけない、、、そしてクライマックスへ。

”第68回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルム・ドールに輝いた人間ドラマ”と言われてなるほどと納得出来た秀作であった。”FOXさん今宵もどうもありがとう”。

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