”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ガール・オン・ザ・トレイン”(16年)

原題は”The Girl On The Train"でポーラ・ホーキンズと言うイギリスの作家が15年に執筆し発刊されたサイコ・ミステリーだ。店頭に並んですぐにミリオンセラーを達成、ドリーム・ワークスが早速飛びつきあっと言う間に映画化された。

実は原作は読み損なっている、、池田真紀子さんが翻訳されているのだがその存在を知る前に映画化されていたのだ。恐らく翻訳に際しては”列車の女乗客”、もっと手広く読者層に訴えるなら”記憶を失くした乗客”とかでも良さそうなんだが順当に、イヤ手抜きで”ガール・オン・ザ・トレイン”となっている、、。

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確か原作では背景はロンドン郊外じゃなかったのかと思うのだが映画ではニューヨークの通勤列車に置き換わっている。風景から行くと例の”サリー機長”が着水着陸したハドソン河のもっともっと上流でリバーデール側を通る列車だ。主演はエミリー・ブラント、彼女が前回の”ボーダーライン”で手にしてた銃をお酒のボトルに持ち替えて渾身の演技を見せてくれる。

離婚をきっかけにお酒に走るようになったレイチェル(E・ブラント)は実に危なっかしく不安定な日々を送っている。ある日そのレイチェルが列車の中から目撃したのは友人、アナ(レベッカ・ファーガソン)で彼女がベランダで見知らぬ男に抱かれているシーンだ。更に何時もベイビーシッターとしてそのアナと元夫トムの家へ来ていたミーガン(ヘイリー・ベネット)が失踪しある日彼女の死体が発見される、、。

しかし良く見てないと場面が5日前になったり1ヶ月戻ったり、突然先週だったりと目まぐるしく変わるのだ。これは最近の手法だとは判るのだが余り頻繁にコロコロ入れ替わるともうこの老いた頭ではついていけないのだ、、。要するにレイチェルは列車の中から目撃しているのだがお酒の影響からか記憶が非常に曖昧で警察の聞き込みでもちゃんと筋道を立てて自分が何を目撃してその後どうしたのか時間の空白さえ説明出来ないのだ。

雰囲気は”ゴーン・ガール”じゃないのかな??と思っていたのだが全く違った、失踪してたミーガンはすぐに発見されるし別に記憶の不確かなレイチェルを警察も疑っている感じはしないのだ。濡れ衣、、って訳でもなくじゃあ真犯人はダレっ??って事よりその動機探しが一番の見せ場かも知れない、、でも警察が捜査するって訳じゃなくてレイチェルが時々素面になって記憶が繋がる事が唯一の解決策になっている。

これじゃおまわりさんも”サンキューベリーマッチ”って感じなのだが女性二人と二人の旦那衆、それプラス、臨床心理医の5人が主要な登場人物って事に落ち着いて来る。途中からそんな展開になるんじゃないかな、、っと思った途端に意外と簡単に動機が判明、そしてレイチェルのモヤモヤだった霧の中の記憶もスッキリさっぱりするのである。

う~ん、、、、結構期待してたんですがね、、エミリーさん、でもこのプロットは日本の”火曜サスペンス劇場”2時間枠で秋のスペシャル・バージョンでも充分制作出来るんじゃなかろうか??制作費だって恐らくNHK大河ドラマ二週間分くらいだぜ、出演料もエミリー以外は格安だし、そんなでFOXさんお世話になりました。7ドルで済んだが映画館へ行ったとしてもシニアで9ドルだからこれは微妙だった。

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