原題は”Nocturnal Animals"、邦題はそのままカタカナ表記、これには絶対日本ではヒットさせないゾ、、と言う配給元のひねくれ信念が宿っているような。”ノクターナル・アニマルズ”と書かれて瞬時にこれは”夜行性動物”の事さ、と理解出来る映画ファンが果たしているのだろうか??
主演はエイミー・アダムスとジェイク・ジレンホール、マイケル・シャノン(先のオスカーでは助演男優賞にノミネート)、アーミー・ハマーなどで監督はトム・フォード、、ジャンルとしては”犯罪”ものなんであるがウィキによると”ネオ・ノワール・サイコロジカル・スリラー”と言うそうな、参ったな~、そんな言い方があるんだ。ぶっちゃけ、心理劇ドラマと言えば良いんでないの?
オースティン・ライトと言う作家が書いた93年の小説をジョージ・クルーニーやら彼のお仲間が製作者として名を連ね映画化へ、結果はカンヌやヴェネチアの映画祭、その他でお披露目され好評を博した。昨年のヴェネチアでは審査員大賞まで受賞しそれこそ”プロ”の諸氏からはえらく評判が良いのだ、。ワタシは素人ですから決してそんなに高い評価は差し上げられませんでしたが、、。
映画の冒頭はかなりショッキングな出だしだ、”ドラゴン・タトゥーの女”程ではないにしろ斬新な背景ですっかりタイトルロールや出演者の名前を見過ごしちまった、画像に目を奪われたと言うより、字がちっこくてしかも背景に混じり合って良く読めんのだ、こんなタイトルバックはフラストレーションが溜まるぜ、。
スーザン(A・アダムス)はラ・ラ・ランドに住むリッチで成功しているギャラリーのオーナー、エドワード(J・ジレンホール)は元夫で現在はテキサス居住の作家どの、そしてフルトン(A・ハマー)はこれまた裕福な実業家でスーザンが再婚した相手。
そのスーザンの手元にある日、エドワードから出版前の小説のゲラ刷りが送られて来る。そのタイトルが”ノクターナル・アニマルズ”でタイトルページの後には”スーザンへ”と書かれている。その小説をスーザンが読み進む形で物語が進行して行くのだが、、、ウン、これは今、現実?それとも二人が知り合った頃か?或いは小説のなかの話か?と気をつけて見てないともう混沌として来る。
まあ小説の中ではエドワードがトニーになっているし最初はヒゲだらけなのでああこれは小説のなかじゃけん、、と判るのだが奥さんはローラ(イスラ・フィッシャー)が演じておりティーンエージャーの娘はインディア(エル・バンバー)が配役されている、、その3人家族はテキサスに居住、休暇で遠出をしている最中に高速道路で悪いヤツら3人が乗ったクルマに難癖をつけられ路肩から追い出されてしまう。前輪はパンクしてしまい運転不能、、それを彼らが直してやると云いながら近寄って来て騒動勃発ってストーリーだ。
スーザンもここまでは一気読み、映画を見ている我々も一気に、、でもスーザンは小説の中に自分と娘を転嫁するのだがどうにも落ち着かない、、同時進行で寝れない夜を過ごすスーザン、、この挿入部から不眠症が講じてエドワードに”ノクターナル”と呼ばれるようになったと判るのだ。でもどうも現在の旦那の挙動が、、折角ニューヨークから戻ったらしいのだが又、トンボ帰りで出張とか言ってるし、更には寝れないスーザンが夜中の4時に電話をすると、、”今、ホテルにチェックインして部屋に向かうところさ”、、と言いつつエレベーターの隣には女性の姿が、、。
寝れないスーザン、、続きを読むために又、ベッドへ、、、小説の中ではワルの二人にローラと娘が連れ去られてしまいトニーはワル一人が同乗して何処か人気のない私有地へ連れて行かれ結局そこへ放り出されてしまうのだ。
そんなで現実と小説が重なりスーザンが苦悩、小説の中のトニーも苦悩しながらも必死の逃避行、、置き去りになった荒野から夜を徹して民家が見える場所までたどり着き離れ離れになった奥さんと子供の無事を願いやっとの思いで保安官事務所へ電話を、そして出てくるのがマイケル・シャノン保安官、、。ありゃ、、これ以上書いちゃうとネタバレになっちゃうじゃん、、。
確かに苦悩するスーザン・エイミー・アダムスが巧い、、先のオスカーでも”Arrival”、、、ああ、コイツは邦題が”メッセージ”じゃないか?それこそそのまま”アライバル”でも良いじゃないか?それに”The Accountant"が”、”ザ・コンサルタント”に化けて、そんでもってこの”Nocturnal Animals"が”ノクターナル・アニマルズ”だと???ちょっと前は”Sicario”が”ボーダーライン”だし、、、ああナンか書いている事が支離滅裂だ、、でも早い話、皆さん何とかこの邦画絶対的人気の時代に洋画への観客動員が使命じゃないかと思うのだがこれじゃもう邦題でそのチャンスを放り出しているような気がする。”ノクターナル・アニマルズ”と言われて見たくなる映画ファンが何処にいますか??
いかんいかん、、話しが逸れた、、でもタイトル次第では日本でも観客動員が見込める映画なんだが、、勿体無い。
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