”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ユダヤ人を救った動物園 、アントニーナが愛した命(17年)

この映画は反則だ。邦題はモロにネタバレになっている事を別にすると、ワタシの自分勝手な方程式から、、戦渦、史実、動物保護、ユダヤ人救済、、がキーワードになったらもう見ない訳にはいかない。それにハンカチが必要になって来る。

イメージ 2原題は”The Zookeeper's Wife"、、”飼育係の妻”なんだがノン・フィクションとしてダイアン・アッカーマンと言う詩人が書いた”ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語”をベースにしている。

イメージ 1時代は1939年、ポーランドワルシャワ、、街中がきな臭くなりつつある頃で舞台は”ワルシャワ動物園”のお話しだ。

その動物園の管理人の妻を演じているのがアントニーナ(ジェシカ・チャスティン)で夫のヤンをヨハン・ヘンデルベルグが演じている。監督はニュージーランドのニキ・カーロと言う女流監督で第二次大戦のきっか


けとなったドイツ軍のポーランド侵攻、39年の9月から映画はスタートする。

そして43年にドイツ軍の敗退が濃厚となるまでのタイムスパンでポーランドから遠路強制収容所へ大量に送られるユダヤ人を何とか一人でも多く助けたい、そんな中で活躍する”ヤンとアントニーナ”が物語の中心になっている。”シンドラーのリスト”や日本の杉原千畝に通じるお話だが此方は何と動物園の檻の中に匿うのである。

ドイツ軍管理下のゲットー(収容所)が街中にあり鉄道を使ってドイツへユダヤ人を送りだしている、、その収容所から一人また一人と偽の書類を作成し動物園の檻へ移動させ一部はユダヤ人地区から解放させるのだが監視の目が厳しく動物園の地下などへ収容せざるを得ない。そりゃもう発見されたらどうしよう、で最後までハラハラドキドキの展開だ。

SSの将校でルッツ(ダニエル・ブリュール)はアントニーナに好意を寄せており事あるごとに動物園へやって来る。自身も動物生態の研究者でもあり当初は動物園の動物たちを安全なドイツ本国へ送り面倒を見たい、、等と親切な申し出をしてくれアントニーナも満更じゃない。戦下に紛れて動物たちが逃げ出したり、殺されるのだけは避けたいのだ。その好意が後に騒動を起こす種になるのだが、、39年当時はアントニーナは動物たちを助けたい一心である。

幼少の頃の一人息子、リシャルトを演じたティム・ラッドフォードと言う子が実に健気で可愛い、ママが自転車で園内を走り回り動物に声を掛けたり他の飼育係と打ち合わせをしている間でも和ませてくれパパとも収容所へ行ったりと大活躍するのだ。

それともう一つの逸話が描かれている、演じたのはアーノスト・ゴールドファムと言う俳優さんだが収容所の孤児たちを献身的に助け、最後は子供達と一緒にホロコーストへ向かってしまう”コルチャック先生”である。元はポーランドの小児科医で児童文学の作家でもあった。彼が引率して長距離列車に子供たちを乗せ、ドイツへ向かう場面、、、これは涙なくしては見れない場面である。僅かな出番、そして彼の事を知らないと見過ごしてしまう場面なんだがこの先生の本名”ヤヌシュ・コルチャック”は実在した人物だしこんな形でこの映画に登場してくるとは、、これも反則だ。

オーストラリアではこの5月に公開されそれなりの収益をあげたそうな、、アメリカでは劇場公開されたその週末にトップテンに入る収益をあげて評価も高かった。日本では何故かこの年末公開とか、、、う~ん、何でだろう?アメコミ映画や派手なシリーズ、リメイク映画より断然此方の方が良いと思うのだが、、ダメかそんな事を思うのはジイさんだけか??いや、うちのバアさんもこれは見たぞ、、。

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