”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”招かれざる客”(67年)

制作されたのは67年、スタンリー・クレーマー監督による名作と呼んでも間違いないクラシックシネマだろう。原題は”Guess Who's Coming To Dinner"(夕食に来るのは誰か)だが当時の配給元担当者は実に的確に”招かれざる客”とした。映画は一見舞台劇の構成と背景だが映画用に書き下ろされた原作を担当したのはウィリアム・ローズと言う脚本家、見事にこれでオスカーを受賞している。

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オスカーと言えばこの作品は作品賞も含め10部門でノミネートされているが残念ながら受賞はキャサリン・ヘップバーンの主演女優賞と脚本だけだった。まあ競合として他にノミネートされていたのは、、;

作品賞に:

卒業

(*は受賞)


主演男優賞は:

ウォーレン・ビーティ(俺たちに明日はない)
スペンサー・トレーシー(招かれざる客)

主演女優賞は:

キャサリン・ヘップバーン(招かれざる客)*
アン・バンクフト(卒業)
フェイ・ダナウェイ(俺たちには明日がない)
オードリー・ヘップバーン(暗くなるまで待って)
イーデス・エヴァンズ(哀愁の旅路) 未公開

監督賞は:

マイク・ニコルス(卒業)*
ノーマン・ジェイソン(夜の大捜査線)
スタンリー・クレーマー(招かれざる客)

とこの年は”卒業”、”俺たちに明日はない”、”夜の大捜査線”、、そして”招かれざる客”の4作品が各主要部門でガチガチのぶつかり合いだった。スペンサー・トレーシーはこの作品がクランクアップして10日後に亡くなっているのでまさにこれが遺作になってしまったが彼にオスカーが行っても良かったんじゃないんだろうか?それ程に主要キャストの演技が素晴らしい映画だった。そう言えばシドニー・ポワチエだって主演でも良かったのに、、”夜の大捜査線”にも出ていたしこの年代には大活躍だった、、。

allcinemaの解説はこんな風に書いてある、;

トレイシーとヘプバーンの名優コンビが、リベラリストたる面の皮を剥がされる新聞社社長とその夫人を演じ、さすがにうまくて舌を巻く、S・クレイマーの問題作。

世界的に著名な黒人医師ジョン(ポワチエ)はバツイチで妻子を事故で亡くしている、、たまたまハワイで知り合った白人女性ジョーイ(C・ホートン)と人種の壁を越えて結婚を誓い合い、互いの両親の許しを得るためサンフランシスコのジョーイの実家を訪れる。最初戸惑っていた母も、娘の喜ぶ様子を見て次第に祝福する気になるが、だが父マットはそうはいかない。彼は人種差別反対を自ら経営する新聞の論調としてきたが、いざ自分の娘が黒人と結ばれるとなると心境は複雑だ。やがて、ジョンの両親プレンティス夫妻もかけつけるが、彼らも息子の相手が白人とは知らされていず愕然とする。

けれども、彼の母も何より子供の愛を信じた。こうして、二人の母同士の強い説得によって、頑迷なマットの心もほぐれ、娘たちの仲を認めてやるのだった。

こんな内容なのでもうこれは演技力で見せるしかない映画だ。アクションや外部の場面もないし登場人物は殆んどこの4人、プラス一家と親交がある牧師さん、それに彼らの住み込みお手伝いさん、、。

半世紀以上が経過して現在は国際結婚だって誰の周囲にも2~3組はおられるんじゃなかろうか?オーストラリアじゃ現在ゲイカップルの結婚を認めるかどうかで国民投票まで実施されている、、この時代にもしジョーイが黒人男性じゃなくて黒人の年の離れた女性を伴って両親の前に現れたら一体どんな事になるのやら、、。そう思ったら生まれる子供はハーフにはなるが(それも可愛いんじゃない?)、まあ孫も期待出来るし人種を超えた結婚で収まるならOKだよ。うちはもうとっくに片付いているので冷静に見てられるし慌てもしないが未婚のお嬢さんがいるパパとママはやっぱり心配だよな~、、。