これは実に嬉しいトップ・ニュースだ。イシグロ氏(石黒一雄)は長崎出身の日本人、1960年、5歳の時に両親と共にイギリスに渡り82年に処女作、”女たちの遠い夏”でデビューした。その処女作がいきなり王立文学協会賞を受賞、更に次作の”浮世の画家”(86年)では生まれ故郷の長崎をイメージさせる背景を舞台に戦前の思想を持ち続けた日本人を描いた。そして89年には”日の名残り”を発表、、これはイギリス文学界に於ける最高の名誉とされるブッカー賞を受賞し名実ともに文学界の一人者となった。
この”日の名残り”はサー・アンソニー・ホプキンズ、エマ・トンプソン等の主演で93年に映画化されアメリカのオスカー戦線に於いても8部門にノミネートされるなど映画に対する評価は非常に高い。日本出身の若き作家が伝統的なイギリスの執事の舞台裏を描きその原作の評価を映画化で継承したと思わせる名作だ。このスチールがこの映画の全てを表現していると言っても間違いない。
その後の作家活動も盛んで05年の”わたしを離さないで”を含め4作が出版されている。この”わたしを離さないで”でかなり衝撃的な内容だが日本国内に於いてもドラマ化されているとか聞いた事がある。
おめでとう御座います。