この”アラモ”、60年度版はジョン・ウェインが主演、監督、プロデューサーと一人で三役をこなした70mm西部劇大作でもう50代となりそんなに若くはなかったがそれでも人気絶頂の頃に作られたものだ。
共演にはローレンス・ハーヴェイ、リチャード・ウィドマークなどで興行的には失敗だった、、と後年配給元では述懐しているが繰り返し繰り返し放映されているしテキサス州独立を目指した”悲劇の独立戦争”として史実を上手く再現している。確か公開当時は映画の評価は低かったが個人的にはやはり西部劇としてかなり上位にランキングしたい作品である。
実際に起きた”アラモの戦い”は、テキサス独立戦争中の1836年2月23日 - 3月6日の13日間にメキシコ共和国軍とテキサス分離独立派(テクシャン反乱軍)の間で行われた戦闘で舞台はテキサス側の拠点とされたアラモ伝道所、テキサス州サンアントニオ中心街の一角である。映画では6000人いたサンタアナ将軍率いるメキシコ軍 VS トラビス大佐以下200人程度の守備隊との玉砕戦となっているが実際戦闘に参加したメキシコ軍は1400程度だったらしい。
映画評論家の評価はそんなに高くはなかったと覚えているがそれでも作品賞を始め7部門でオスカーにノミネートされている。そして受賞したのが音響効果、、ゴールデン・グローブでは作曲したデミトリ・ティオムキンがこの名曲で受賞した。
アメリカでも特にテキサス州と言うのは”元来独立した州だ”と言われる事も多くアチラの方たちにはかなり思い入れがあるのだろう、、映画の題材としては過去に6回も制作されているし一番最近では04年にデニス・クエイドやビリー・ボブ・ソーントン以下の配役でリメイクされてもいる。
東京で始めて公開されたのは今は東銀座と言われているが築地の”東劇”(東京劇場)だった。まだ独立した建物で上層階には”傑作座”(?)だったか二番館があり一階の晴海通りに面した箇所には”銀座松竹”、そして通りを挟んだ反対側には”松竹セントラル”更にその横っちょには洋画ではない松竹映画の専門館があった。もっと有楽町に近くなると今度は縄張りが東宝系になり”日劇”やら”日比谷映画”、”有楽座”とか”スカラ座”に”みゆき座”と映画館だらけだった。
それが今は全部シネコン、確かに効率は良いし席に傾斜がついているので前の人の頭越しに見る必要はない、、しかも全席指定席となれば焦って並ぶ事もないし通路に立って後半だけを先に見てまた席を探して後半を見る、、何て事はあり得ない時代になっている。まあこれは日本だけの事じゃなくてこのオーストラリアでもこの20年くらいの間に独立館はなくなり殆どがショッピングセンターに隣接したシネコンに様変わりしている、、”アラモうー”の世界だよ、、。