”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”シャドー・チェイサー”(12年)

原題は”The Cold Light Of Day”と言って要するに慣用語なのだがこの場合、言葉通りに”平穏な日が経過していく、、”みたいな意味である。前に”In”を付けるケースが殆んどだが常用語となるかどうか、、今時会話でこんな使い方はしないかな、、。

それが一転、邦題はと見ると”シャドー・チェイサー”だよ、、難解な英語訳を今度はそのままカタカナ化じゃなくて違う言葉に置き換えている。”Shadow Chaser"って事は”影を追う”って事じゃないのか?この発想には驚かされた。

映画はアメリカ資本だが完全にスペイン映画の様相、ロケ地もスペインで配役陣のブルース・ウィリスヘンリー・カヴィルやシーガニー・ウィーバーなど全員が貸し出されて制作されたような雰囲気だった。IMDbの評価は4.9とビックリするくらい低いのだがプロットはなかなかでテレビ観賞用としたらそんなに長くないし適度にアクションもハクションもあってなかなかだと思うのだが、、。

サンフランシスコでちっこいコンサルタント会社を経営しているウィル(H・カヴィル)は父ちゃん(B・ウィリス)や母親達と合流する為にスペインの港へ、、其処からヨット三昧の休日を過ごすのだ。しかし会社の経営が破綻寸前、携帯電話でのやり取りばかりで心ここにあらずの有様。遂に父ちゃんがキレて携帯を海へ放り投げてしてしまう。ウィルは自分の不手際で怪我をさせた弟のフィアンセにクスリを買う為に海に飛び込み最寄りの街へ、、そして帰ってみるとヨットが消えているのだ。

イメージ 1此処までは快調そのもの、、だがどうも以前見た気がしてきた、、全編通して見ている訳じゃないのだが父ちゃんが殺されるとかシーガニー・ウィーバーは味方をしているフリをしてるが実は悪いヤツだ、、とか断片的に覚えているのだ。それにブリーフケースが重要なポイントに、、”Ronin"では結局最後まで中身は判らず何の説明もなかった、見ている側はIRA組織との間に結ばれた重要な文書みたいな印象を持ったがこっちは良い奴、悪い奴、どっちか判らない奴の三つ巴で必死に在り処を探し回るのだが見つからないのだ。

他の設定はよくあるヤツ、、ブルース・ウィリスは大使館員となっているが実はCIAに所属する現場工作員、以前の任務で”悪い奴”から奪ったスーツケースを敵が取り返したいと躍起になっている事が判るのだ。そんなで悪いCIA、良いCIAそれにスペインの警察にモサドまでが入り乱れスーツケース争奪戦になって行く。

父ちゃんを殺されてしまったウィルは何が何だかサッパリ判らないそれに完全に素人なんだがそこは親の血を引いているのかもう凄腕工作員として大活躍、撃たれたってへっちゃらだし殴り合いでも負けやしない、でも母親、弟それに彼のフィアンセの3人は何処に監禁されているのやら、、生きているのか?

風光明媚なスペインの海辺や落ち着いた感じの町並み、そんな中をカーチェイスあり銃撃戦ありで息もつかせぬ仕上がりになっている。一歩間違うと”太陽がいっぱい”の設定そのままになるのだが、、此処は同じリプリーさんでも”エイリアン”で主演を演じてたリプリーさんが猛烈に悪い役回りに終始している。結局アタッシュケースは良いCIA”の手元に戻るのだがウィルが聞いても教えて貰えない、、その代わりと言うか”キミ、素質あるね?””どうオヤジさんの後を次いで、、うちへ来てみる?”とか何とか言われちゃっている。そのセリフが原題って事でした。