”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

田舎町を舞台にした極上のミステリー犯罪

古い田舎町に住む刑事Sは突発的な事件もなく平穏無事で退屈な生活を強いられていた。そりゃ町が平和でそれに越したことはないのだが、、ある日、暇を持て余し都市部の警察署を訪ねる。知り合いだった部長刑事が引退しその後釜に赴任した女性刑事部長に持て余している未解決事件、コールドケースの情報を提供して貰うためだ。

最初は未解決事件を提供する事さえ躊躇していたのだがSの過去の経歴や実績も知っているので”ハイ、これだけあるのよ”と束になった未解決事件の概要を手渡される。自宅へ帰り今宵最初のウィスキーをタンブラーに注ぎ一件ずつ検証していく。

イメージ 2何件もある事件の現場検証場面のスチールに血まみれになった大型犬が写り込んだモノがあった。被害者は若い女性、惨殺されているのだ。その手口が過去3件あった連続殺人事件に酷似している、、何れも若い女性、そしてこれを含む4件の容疑者として逮捕され既に刑務所へ移送されている人間がいるのだ。

Sはその後刑務所へ出向き本人と面会をするのだが”オレが殺ったのは3人だけだぜ”と4人目の女性については手口は同じだろうがオレは何も知らないとシラを切るのだ。Sはその後現場写真にいた大型犬の存在を確かめる為に市の動物保護施設へ向かってみる。その犬はスティーブと名付けられていたようだが飼い主の女性を亡くしすっかり食欲もなくし体力も限界に、明日には処分される身と係員から聞く、。

っとまあこんな感じで物語が進んでいくのです、、そう、これはワタシがこよなく愛する作家殿、ロバート・パーカーが描くところの”ジェッシー・ストーン”のシリーズ最新作なのです(とは言っても公開されたのが15年)。タイトルは”Lost In Paradise"邦題は”4番目の真実”、、とこれはなかなか見事な翻訳だ、、。パラダイスと言うのは天国って訳じゃなく刑事署長としてジェッシーが働く田舎町、パラダイスの事である。

イメージ 1テレビ用に撮られた映画でこれまで不定期に9作が映画化されている。何れも事件は毎回解決に至るのだが微妙に継がりがある。

ジェッシーが付き合うガール・フレンドだったり友人の刑事部長、それに電話で声だけの出演の元妻(声はギリアン・アンダーソン)、それに心理学臨床の担当医や部下の刑事たち、、それにもっと重要な役どころでジェッシーの傍らには何時も愛犬がいるのだ。最初がブーマー、、そして次がレジー、そして今回の最新作ではそれがスティーブとなり全部が彼の劇中の経歴に連動するように有名なメージャーの野球選手名なのだ。そして事件解決の為のヒントが隠されているのだ、、。

原作は失礼ながら余り面白くない、、でも映像化されてからは抜群の面白さでボストン近郊の町を舞台に(マンチェスターとは違って水辺じゃない)その端的な脚本、セリフまわし、撮影のカメラアングルから音楽までどれを取っても素晴らしいのだ。それにアクションらしい場面は一切ない、ジェッシーがやむ無く発砲するケースはあるのだがどちらかと言えば静かな犯罪心理劇と言う印象ではないだろうか?

そんなに惚れ込んで、、イヤ、入れ込んでいるのはこのジジイだけ??と思いアメリカのサイトから色々検索して調べてみた、、何とビックリ同好の士が山といたのだ。しかもシニア連だけじゃなく老いも若きも、男女の区別もない有様。皆さん一様に”早く最新作を放映しろ、、”と催促しているのだ。

ジェッシーを演じているトム・セレックだってもうアラ・セブンなので幾らアクションはないと言っても何時までも警察署長にしてはおけないよ、まあ彼が制作から脚本、エクゼクティブ・プロデューサーも演じているので彼がやらないと進まないプロジェクトだとは思う。こっちもいい加減アラ・シックスも後半なんだから早くやってくれないと、、最新作は既に制作中と書かれているのだが、さて何時になるやら?