”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ゲティ家の身代金”(17年)


実際に73年、ローマで起きたポール・ゲティ3世(当時16歳)誘拐事件を元ネタに脚色している。リアルタイムでこの誘拐の事は覚えているしその衝撃的な結末も記憶にある。映画では祖父のポール・ゲティ(C・プラマー)は孫が救出された直後に亡くなるのだが実際には76年まで健在だったハズ、それと救出された方法なども恐らく映画用にだが変更されていた。

全編通して祖父の実に勝手、気ままな性格と子供を思うママ(M・ウィリアムズ)の確執に焦点が合っておりハラハラドキドキの誘拐犯を追い詰め何とかポール少年を救出しようと言うアクションには程遠かった。役柄からいっても元CIA職員だったチェイス(M・ウォールバーグ)の活躍がメインでせめて誘拐犯との知能合戦を期待したのだが、。

イメージ 1ミッシェル・ウィリアムズは”グレイテスト・ショーマン”、”海辺のマンチェスター”にと連続して高い評価を受けている。クリストファー・プラマーに至っては88歳、この映画でオスカーとイギリスのBAFTAでも助演男優賞にノミネートされ最年長での記録更新者になったそうだ。

演技陣は申し分ないのだが、、監督のリドリーさん、、どうも一時期の歯切れの良さが封印されてしまった。まあ事実を曲げて勝手な解釈も出来ないし、遺族からだって下手すりゃ文句も出るだろうから幾ら映画化とは言えかなり制限が掛かっているとは推察出来る。

でもイタリアンの誘拐犯一味がどうもゲティ一家は身代金を払う気がないと察して折角誘拐したポール少年を別の悪いヤツに横流しちまう所からもっと突っ込んだハラドキの展開に出来なかったんだろうか?ポール少年を引き受けたワルボスもなんか迫力はないしそんなに極悪非道って感じじゃないのだ。割と簡単に新たに設定して要求した身代金を受け取り警察に追われる事になるのだがこの折角のクライマックスが実にあっさりしてて尻切れトンボみたいだった。

6ドル払ったんだが途中でウトウトしちまったし頑固な爺さんは死んでしまうしあんだけそれこそ”世界中の金”が唸っていても実際には使えなくて美術品や絵画に投資するだけじゃゲティ家もやってられないよ、。

イメージ 2ロス・アンジェルス北部にある高級住宅街、マリブ、映画にも良く登場してくる街だがその街に”ポール・ゲティ博物館”がある。

これは映画でも最後にちょっと爺さんが触れていたがローマにあったお屋敷のレプリカだ。最後にアビゲイル(M・ウィリアムス)がローマの邸宅から各種美術品をこの新しく完成した邸宅へ輸送する準備をしている場面があったがそりゃもう素晴らしい芸術品が満載されている、、、らしい。結局ワタシは一度も訪れる事なくロス駐在の任期を終えてしまった、。