”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”レッドブル”(88年) VS ”ブラック・レイン”(89年)

以前見た時は全然気がつかなかったのだがこの”レッドブル”(原題は”Red Heat”)はシュワルツネッガーとジェームス・ベルーシ、監督はウォルター・ヒルと翌年公開された”ブラック・レイン”、マイケル・ダグラスアンディ・ガルシア高倉健松田優作、監督はリドリー・スコットはかなり設定が似ているのだ。

イメージ 1レッドブル”で主演のシュワルツネッガーはイワン大佐役でモスクワ市警の凄腕刑事、”ブラック・レイン”のマイケル・ダグラス、ニックさんはニューヨーク市警の落ちこぼれ刑事、、その二人があろう事か犯人を取り逃がしてしまいイワン大佐はシカゴへ、ニックは大阪へ飛び犯人を護送する役目を仰せつかる。ニックはニューヨークで捕まえた松田優作を大阪へ送り届けるのだがそれが逃げられる、、。

こりゃかなり共通しているじゃないか?モスクワ→シカゴ、、ニューヨーク→大阪って言う図式で夫々現地の警察がヘルプ役として刑事を充てがってくれる、それがジェームス・ベルーシだったし、”ブラック・レイン”では我れらが健さんである。

イメージ 2しかも麻薬取引が背景にあり地元のロシアン・マフィア、、VS 純正ヤクザの後ろ盾である。まあ映画の出来としてはこりゃもう圧倒的に”ブラック・レイン”に軍配が上がるのだがシュワルツネッガーも若いし、ローレンス・フィッシュバーンが駆け出しっぽい雰囲気で奮闘していた。

”いやいや”って感じだが現地の案内を任される双方の刑事どのにしても最初は外地からやって来て勝手が判らず融通の利かない大佐やプータローでしかも汚職疑惑のある刑事に反感を抱いている。それが協力して捜査を進めるうちに何となく友情めいたものが芽生えていき、最後は親友同士として空港で別れる箇所もそっくりだった、、イワン大佐とアート刑事(ジェームス・ベルーシ)は友情の証として腕時計を交換するがマサこと高倉健は所在不明になっていた偽ドル札の原版をワイシャツの下に忍ばせニックさんに手渡す、、そんなブツブツ交換のシーンまでかなり似ているのだ、。

何故英語の原題が”Red Heat"だったものが邦題では”レッドブル”になっているのかこの辺りはかなり不思議だ。何でそのまま”レッド・ヒート”じゃいけなかったのか?まあ配給元の思惑があったんだろう。制作されてから30年の年月が経過している、そりゃシュワルツネッガーだってマッチョぶりは全開、マイケル・ダグラスも殆ど彼と同世代だしアンディ・ガルシアは”アンタッチャブル”で脚光を浴びたあと、しかしこの頃は日本勢の高倉健神山繁若山富三郎松田優作、、とみんな元気だったのにもうアガサ・クリスティの原作みたいに”そして誰もいなくなった”、やはり30年ってのはそれなりに長い年月なんだと妙にしんみりしちまった、。