”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

決死の寿司紀行

妻:アナタ、今日は一歩も外へ出てないでしょ?
夫:早朝ちゃんとゴミ出しに行ったぜ、、

妻:何さ、それっぽっち200歩くらいじゃないの?
夫:まあそんなもんかな、、

妻:私は今日もちゃんと9000歩近く歩いてますよ。
夫:まあお元気な事でよろしゅう御座います。

妻:今夜はどうするんですか?買いものには行ってないので何もありませんよ。
夫:そんなぁ~、、カップヌードルもない?

妻:そんなもの買う訳ないでしょ。

っと此処までが序章、そしていよいよ本番へ、

妻:ちょっと歩いた方が良いし久し振りに近くのお寿司にでも行きますか?
夫:そうだね、最近食べてませんかね。じゃあ行きますか?

イメージ 1そして二人で一歩外へ出てみると、、ありゃ~、降って来たよ。っと見る間にガンガン、、そして風が吹雪いて猛烈な寒さに、体感温度はさほどでもないのだがもう前が見えない有様だ。無論スマホなどかざす余裕は”永遠のゼロ”、、


妻&夫:無言、、、ただひたすら寿司屋のネオンサインを求めて猛吹雪のなかを進むのみ、完全に気分は”八甲田山”、、寿司屋へ辿り着く前に老夫婦が遭難してたらこりゃ札幌新聞の一面に出るんじゃなかろうか?大阪なら”食い倒れ”だが札幌で”寿司倒れ”じゃ笑えない、ましてや”最近越して来た老夫婦、回転すし屋の玄関先で低体温症で発見される”なんてなったら末代の恥だし、、車はたまに通るが歩いている人は皆無、時々通勤帰りなのかバス停でバスを降りて来る人はいるのだが、。

事前に地図を見て最短距離と道順は調べて置いたのだがこうなるともう何処にいるんだか全然判らない。辛うじて広い国道はあっちの方角だとは判るのだが道幅は完全に一車線狭くなっていて国道どころか田んぼ道みたいだ。一列縦隊で進まないと横に並んでは進めないのだ。

もう”ドクトル・ジバゴ”か”人間の条件”の梶と美千代の気分、、そして永遠とも思えた僅か20分の距離を制覇、辛うじて寿司屋の看板が見えて来た。途中3度ほど立ち止まって深呼吸をして来たのだがカウンター席に着くともう息も絶えだえ、、お店のお兄ちゃんが一体何処から来たんですかぁ??みたいな顔をしている、、そしてすかさず、”この大雪のなかご来店ありがとう御座います”、と言われちゃった。

イメージ 2兎に角、”ビールください、”、っで生サッポロを一気飲み。イヤ~、実に美味い。やっとこさたどり着いた寿司屋、今度は水も無く砂漠を横断して来た”アラビアのロレンス”の気分だった。

それからの”40分一本勝負”はもう家内とは会話なし、。サバやサンマ、、そしてサーモンの三種盛りに今度はマグロ三種、更にはデッカイ穴子を握りで食べてそのオーダーの間には回って来るホタテや生エビにも手を出す。それだけ食べてもまだ30分程度、、流石にお店も閑散としているし頼んだものがあっと言う間に出て来る”高速コンベアベルトすし”状態、それにお店に制限時間がある訳じゃないのだがこっちも空腹だったし、ここはひたすら”井の頭五郎”の胸中。

そんなで慌ただしく食い散らかし、一息ついて会計を、、これだけ食って5000円チョイ、やはり豪雪の中をよたよたとよろけながら来た甲斐があった。しかし待てよ、又、同じ雪道を20分もかけて帰るのかぁ?やむまで寿司屋にいる訳にはいくまい、そこで弛緩した足腰にムチ打ってガンガン雪が舞う中へ再度出ていくのでありました。でも折角腹いっぱいになったのに帰りついたら又、腹が減ってた、、

教訓:こんな日にはもう出掛けない。足が弱っても良いじゃないか?足の為と言いつつ肝心の心臓が止まってしまったらそれっきりだぜ、。

妻:美味しかったですね?又、行きましょうね。
夫:うん、春になったらね。

妻:それまでもうお寿司は食べない積りですか?
夫:何もあそこだけが寿司屋じゃなかろう?

っで今回は紛争勃発には至らず和平交渉も無事に終了、帰り着いたマンションは明るくなり”The End”のロールが流れ出るのでした、。しかしこりゃ続編ありきの終わり方だったなぁ~、、*1









*1:´∀`