”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”グラン・トリノ”(08年)

昨日手抜きして10年前に書いた”チェンジリング”をアップした、、っでそうなりゃ当然今度は”グラン・トリノ”だよなぁ~、、と思って検索したが何処にもそんなものはありゃしない。タイトルじゃなくてブログ内に”グラン”と入れると出ては来るのだがそれが”グランプリ”だったりイーストウッド監督の次作品のタイトルだったりで単独で記事にした形跡がないのだ。

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オーストラリアで公開されたのが09年の1月、近所のシネコンへ行った記憶はあるのだがさてブログに書いたかどうか?09年と言う事は管理人になる前の事だし未だ感想はブログにアップしてなかったんだろう、。

なので手抜きは失敗だ、まあここで止めちゃえばそれっきりで良いのだがやはりヤフーなきあと他所さんへ移転するとなりゃ書いておいても無駄にはなるまい。

ポーランド系の頑固爺、コワルスキー(C・イーストウッド)には朝鮮戦争の忌まわしい記憶がある。長年自動車工として勤め上げ今はクラシック愛車”グラン・トリノ”と愛犬と静かに暮らしている。そんな彼の愛車をギャング仲間に強要され盗みに入った燐家のタオ君はコワルスキー爺に見つかってしまい強奪は失敗する。

この事件をきっかけにタオとコワルスキーは親密になって行く。定職もなかったタオだが爺さんの世話でちゃんと働くようにもなった。しかし一方、そのタオはギャング団に苛めを受けていてもうやられ放題、遂には”グラン・トリノ”強奪失敗を非難されタオ一家には銃弾が撃ち込まれ姉のスーは凌辱される始末だ。映画は後半、その仕打ちに立ち向かうたった一人のコワルスキー、、って事になるのだが、。実はコワルスキー爺は体調が悪く医者には余命いくばくもないとの宣言を受けているのだ。

そんなでクライマックスへ、愛犬のデイジーを隣のタオ家へ連れて行った時にどんな展開になるのかを察知してもうスクリーンが霞んでいた記憶がある。案の定、これっきゃないと言うコワルスキー流儀で結末を迎える。

実に念入りに構成された映像、そして脚本、”ダーティ・ハリー”の頃だったら絶対にぶっ放して終わりって展開だが此処は静かに静かにコワルスキー爺がその必殺作戦を実行して行く。

この映画を撮った時にはイーストウッド監督の頭にはその構想もなかったと思うが10年後に制作した”運び屋”では世代はそれなりにもっと上になるがやはり家族とは疎遠になった独り身の爺さん、、あっちは家族にはせめて幾ばくかのまとまった現金を残したいと言う一心で遥々シカゴからテキサス間を往復するんだったが此方の舞台はデトロイト、そしてもう家族には”グラン・トリノ”だって残してやらないのだ。

遠くの子や親戚より近所の他人ってヤツだろう、、アメリカにもそんな心意気の爺さんがいるって訳だがこれはイーストウッド監督の集大成を見せられた秀作だった。

秀作度☆☆☆☆
愛車度☆☆☆☆
愛犬度☆☆☆☆
涙腺崩壊度☆☆☆