”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”栄光への脱出”(60年)

この映画は原題を”Exodus”と言う、その意味と言うか語源は、、;

旧約聖書にある出エジプト記、、とあり大量に国外脱出を図った事を意味している。それに宛てて”栄光への脱出”と言う邦題は見事だと言うしかないだろう、。実際にはどちらの側から見ても決して”栄光”ではないのが、。

実に久し振りに見てしまった、判っちゃいたのだがこれはインターミッションを挟んで3時間半に及ぶ大作だったのだ。主演はポール・ニューマンエヴァ・マリー・セイント、監督はオットー・プレミンジャー、そして全編を通して流れるメインテーマ曲を書いたのがアーネスト・ゴールド。映画は知らなくてもこの主題歌を知らない人は居ないだろう、、と断言出来る程にこの半世紀以上も歌い続けられている。

イメージ 1今回改めて見て感じたのはやはり背景の複雑さだ。イギリス、ユダヤアラブ諸国が入り乱れてその根っこが判らないと映画も理解出来ないのだ。横目で見ただけではなんじゃいこりゃテロリスト養成所で見せる映画か?となってしまうのだ。

ウィキに書かれている背景は、、;

イスラエルの建国を叙事詩的に描いた映画であり、原作小説にある反イギリス・反アラブ描写は抑えられているものの、イスラエル独立にあたっての内戦やユダヤ人・アラブ人双方の描き方に主眼が置かれているのだ。また後年アメリカにおけるイスラエル支持の世論形成にも多くの影響を与えた映画として、、と言うか監督、プレミンジャーに対する意見、そして評価がかなり分かれたものだ。

ホロコーストを生き延びたヨーロッパのユダヤ人多数がパレスチナへ移民しようとしたが、そのほとんどはイギリスが設けた移民枠を超過した不法移民で、多くがイギリス軍に捕まりキプロス島の難民キャンプに送られていた。難民キャンプで看護婦として働いていたアメリカ人のキティ(エヴァ・マリー・セイント)の前に、エクソダスと名付けた貨物船を手に入れて彼らを極秘のうちにパレスチナへ送ろうとするユダヤ人で元兵士アリ(ポール・ニューマン)と言う主人公が登場する。

船に乗り込んだ移民たちはイギリス軍との緊迫した駆け引きの末にパレスチナへとたどり着くが、イスラエル建国への道のりは厳しく、次から次へと困難な状況が訪れる。果たして彼らは「栄光への脱出」を実現できるだろうか、、。

と言うものなのだがこれは世紀が変わって70年からの年月が経過している現在でも何ら変わらないテロもどきの報復戦争が継続しているのだ。実に根が深い現実を目の当たりにする、。何処の基準で見てもこれはテロ活だが向こうから見ればこれは自国独立の為に紛争してる訳で双方今も一歩も引かぬ立場に立たされているのだ、。

話を元に戻すと映画の出来としては、、やはり長い、そりゃ丁寧に背景を説明しないと監督の言わんとすることは盛り込めないのは充分承知しているがチョイと詰め込み過ぎたきらいもある。別に戦争を背景にしたラブロマンスでもないしアラビアのロレンスのような伝説自伝でもないしアクション満載大作って訳でもないのだ、それに最後はどうも中途半端で見ている観客に将来を託されたのは判るが現実には今になっても、何も変わっていないのだ、。

テーマ曲の認知度☆☆☆☆
映画の”感性”度☆☆、、☆