”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ジャッキー・ブラウン”(97年)再

先日他所のブログでタランティーノ監督の映画について書かれているのを読んで以来、この”ジャッキー・ブラウン”で使われていたボビー・ウォーマックの”Across 110th Street”がアタマから離れない。確か日本じゃ”110番街の殺人”、みたいな邦題がついていた気がする、、。

そして映画の方は数あるタランティーノ作品の中じゃこれが一番のお気に入りかも知れない、。以前にも投稿しているがこんな感じだ、、;

 

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 クエンティン・タランティーノ監督、脚本の犯罪映画。主演はパム・グリアー、、常連のサミュエル・ジャクソンにロバート・デ・ニーロからブリジット・フォンダマイケル・キートンクリス・タッカーと豪華な配役だ。映画館で見て流石タラちゃんだな、、と思った記憶があるし彼の作品では一番好きな映画かも知れない、、。
 
脚本はタランティーノだがベースなった小説は”ラム・パンチ”と言うエルモア・レナードが書いたもので映像化に関しては彼独特の犯罪世界が描かれている。ジャッキー・ブラウンパム・グリアー)はメキシコとロス・アンジェルスを行ったり来たりする航空会社のCAだ、44歳の設定で貯金もなく金欠病生活。武器やドラッグの密売でしこたま現金を溜め込んでいるオデール(S.ジャクソン)の為に現金の運び屋をやっているのだがある日、現金運搬中にロス警察の刑事レイ(M・キートン)に逮捕されてしまう。

 

そんな冒頭のジャッキー、前科もあるしこの運び屋稼業で告訴されれば刑務所暮らしは免れない、其処で自分から捜査に協力するからナンとか元の生活に戻して、、と懇願、そのあたりからタラちゃんの本領発揮となる。
 
全編英語のオリジナル版を見ているのだが何処にも”まとも”なセリフは出て来ない。二言目にはスラングに卑猥な単語、それに罵倒語の連発、日本語にはこんな性的な表現を使うスラングは無いので吹き替えとか字幕では果たしてどんな表現になっているのやら、、。”こんちくしょう”とか”バカ野郎”だけじゃどうにも済まない凄まじいセリフ回しにはビックリする以前にもう呆れちまう、、。自分の事だが我ら中学高校でもこんな凄まじい言葉は使っていなかった、、無論時代は違うし環境も厳格なカソリック校だったので言葉使いには厳しい規律があった事もあるのだが、。
 
そんなジャッキーが捜査協力する事で進んで行くのだがジャッキーだって伊達に危険を承知でオデールの言いなりになって来た訳じゃない、、そして大芝居を打つことに、。
 
この終盤の30分にタラちゃん手法が冴えわたる。ジャッキーを中心に登場人物が夫々の立場からこの”犯罪”の中心人物として立ち回る。これはその昔、邦画の名作、黒沢監督が”羅生門”と言う映画で使った手法だが分刻みで場面が進行するなか違うカメラアングルから違う観点で現場を追う、、こんな犯罪映画では非常に有効な手法だし夫々の役割がとても良く判る。
 
ジャッキーの最後の一芝居はさてどうなるやら、、刑事だって納得させなきゃムショ暮らしになるしそのままオデールを裏切ってしまえば今度はムショどころか自分が生きていくのも困難だ。そんなジャッキーをつい応援したくなるような、、実に意表を突く映画ではありました。

”シャレード”(02年)

邦題には著作権ってのはないのだろうか?”シャレード”(63年)と言えばオードリー・ヘップバーンの準代表作、ケイリー・グラントと共演し、監督はスタンリー・ドーネンでパリを舞台にした実にお洒落なロマンチック・ミステリー映画でヘンリー・マンシーニの作曲したテーマ曲が題名を聞くだけで蘇る。

それが何と2002年に原題が”The Truth About Charlie" と言うヘンテコなタイトルでリメイクされ監督にはあの”羊たちの沈黙”のジョナサン・デ三が招かれマーク・ウォールバーグタンディ・ニュートンが主演に抜擢された。

 

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それが40年後に再度制作された訳だが邦題はオードリー版と同じなのだ。配給元はそりゃ柳の下を狙って付けたタイトルだろうがこりゃ何ともシツレイ極まりない。まあ当時を知る洋画ファンはもう退化しているので今の世代にはナンでいけないの?と思われてもしょうがない、、でもなぁ、映画界には”仁義”ってモノはないんだろうか?

哀しくなっちまうよ、まあ当然と言えば当然なんだがマークとタンディじゃオリジナル版の足元にも及ばす確か日本じゃ劇場公開なしでいきなりDVDかそのままボツだったと聞くのだがさっきウィキで確かめたら”シャレード”になっていた。

実はFOXさんのお世話でオーストラリア時代に見ているのだがストーリーはそっくりそのままオリジナル版と同じ、しかも役名とかセリフまでカブっていたのにはビックリを通り越して怒りたくなったっけ、。確かアメリカのIMDbでもコテンパンに叩かれていた記憶があるしロッテン・トマトじゃジュースにして飲み干したと書かれていた。

一番辛いのはあの名作”羊たちの沈黙”を撮ったジョナサン・デ三が監督をしているって事だ。これでオレの評価はガクンと落ちてしまった、、ナンでこのリメイクの監督を務めたんだか、恐らく彼にしても出来る事なら時間を戻したい気分だったろうな。

”ヴェラ ~信念の女警部~”(11年~)

今、このおばちゃんから目が離せない。ワタシよりちょっと年長さんでイギリスの業界では重鎮として長い年月活躍されている。その女優さんがブレンダ・ブレッシンだ。英語で書くとBrenda Blethyn と書くので日本語でブレッシンと言われても最初はピンと来なかった。

 

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この副題にある”信念の女警部”、イギリス本国じゃかなりヒットしていて現在はシーズン10が放映されているらしい、って事はもう10年も第一線で活躍されているって事になる。まあシーズンが夫々4話程度なので日本風に言えばテレビ用に制作された映画と言うシリーズかも知れない。

先日これまで放映されていた殆どが受信機の交換に伴って消えてしまったので止む無く現在放映されている分から録画のし直しをしている所だが何れのエピソードも巧みなプロットでこんなイギリスの田舎町でそんなに事件が起きるかよ~、、と思う前にヴェラ警部の洞察力、推理力、そして信念には毎回驚かされる。

そりゃ犯人を追って走ったり、子供を河から引き揚げたり、若い刑事を助手席に乗せて自分で運転したりと大活躍はするが拳銃は持ってないようだし、悪党と格闘する訳じゃない、。もっぱら若い刑事達7~8名をまとめて叱咤激励する役柄に徹しているのだがそのセリフが時には辛辣で相手の刑事の胸にぐさりと来るようなケースもある、それに容疑者に対しては普段は諭すような尋問だがそれが一転して相手がビビる手段を取る事もあるのだ、、まあこれがこのシリーズの見せ場とでも言えるのだが、。

これがイギリス刑事ものの伝統と言えるんだろうがどの事件もかなり複雑に伏せんが絡まっている、最後に被疑者には双子の兄弟がいたとか犯人が襲って殺害したのは別人だったとか出生の秘密から身分の入れ替わり、そんな事が出来るのはその辺の住人じゃ無理だ、、とか目まぐるしく変化する。ちょっと目を離していると全然予想外の犯人が特定されたりするので最後までしっかり目を開いて置かないと訳が判らなくなる。

こんな複雑なプロットがお好きだとは、、イギリスの国民性なのかそれとも皆さんお茶の間で真犯人探しの賭けでもしているんだろうか?まあ日本の刑事ドラマでも最後の逆転劇や意外な真犯人が出て来てビックリするが此方は日本の比じゃない。

 

 

 

 

ディック・フランシスの競馬シリーズ

この著者ディック・フランシスはイギリスの推理小説作家で元障害競馬の騎手だ。実際に馬場で活躍していたのは1953年から1957年までと短かったがその後新聞記者などを経て推理小説作家へ転身、主に騎手を主人公に配した作品を多く出版している。

日本では早くから早川書房が目を付け専属翻訳者として菊池光が抜擢され競馬シリーズの第一作1962年の”本命”に始まって2010年までに44冊が出版されている。原題は邦題に準じている訳でもその意訳でもなく全部が漢字二文字で表示されているのだ。邦題は以降、”度胸”、”興奮”、”大穴”、”飛越”、、、、と言う具合だ。無論中身を全部読み、翻訳されているので漢字二文字に集約させるのはご苦労な事だが我々が本屋で探す場合には楽だった。

登場人物は毎回違うキャラクターで皆さん夫々に競馬に関連した人達が主役、それが転落事故で障害を持つ元騎手、とか私立探偵とか、資産家だったりする。共通するのはイギリスの背景らしく厳しい規律環境に育った苦労人、、でも女性にはやたら甘いと言う典型的なイギリス紳士だ。

 

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しかしどれも素晴らしいミステリーなのだが映像化されたケースが極端に少ない。ハリウッドでも映画化されたのは1~2作だし本国でもテレビシリーズ化は聞いたことがない、。これだけは何時も残念に思っていた、恐らく毎回主人公の背景や生い立ちが違い的が絞れない、、そんな事じゃないのかな?読む方は毎回出て来る主人公が違い彼らなりに悪を成敗する筋書きは魅力満載だった。

この全シリーズは日本からロスへ行きそしてオーストラリアを経由して今は札幌のマンション、4畳半を潰して作ったウォークインクロゼットのダンボールに寝ている。

 

 

映画どころじゃない、、或いは寿司か自宅待機か?

今日は天気も良いし歩道の雪もかなり消えて来ているので地下鉄を使って札幌市内へ、、ランチには回らない寿司ってのも良いかなぁ~、、と目論んでいた。

 

そしたら家内が居間から、、”アナタ、テレビが映らないの~”と叫んで来た。どうもこの3週間ばかりは具合が悪かった、、最初はマンション全戸に行き渡っている分配器の具合が悪いとかで全戸でテレビもネットもその会社と契約している固定電話まで繋がらず大騒ぎだった。それが修理され(交換するとなるとうん十万掛かるとかで今回は修理で対応)以降、大丈夫だったが先週は2度も映らなくなった。

 

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何回もリセットボタンを押して試したが先週は上手く行ったのに今朝はもうダメだ、、でも普通の地上波は映る、。って事はこれは先日の障害が再起動しているのではなくてうちの受信機が悪いんじゃなかろうか?お隣の住人に聞いたら”うちは問題なく映っているで、”と言うのでよく聞いたら有料配信局とは契約してないとか、、じゃあ対象外だよな。

 

そして結局、トラブル・シューターを検索してパスワードを再設定してアクセスしたがダメ、、止む無く技術部門へ電話する事に、。電話口で延々と待たされ丁寧だが慇懃無礼な物腰に付き合って住所氏名、年齢、性別(そんな事は声を聞きゃわかるべ~、、)とキレる事なく大人の対応を、、。結果診断は、、”それは受信機の不具合ですね”っと来た。

 

だから最初っからそう言っているじゃないかぁ~、、前回は全く同じ対応でその時はリモコンに不具合があり、交換して貰ったのだ。続けて向こうは”早速、修理か受信機の交換に伺える時間を確認します”となった。そしたら”今日中、夜の9時までに伺えるように手配しましたが、宜しいですか?”、、”申し訳ありません、時間の確約は出来ませんが事前に修理の担当者から携帯電話へ連絡を入れさせますので、”、、

 

そう来たか、、じゃあオレの寿司ランチはどうなるんだぁ~??とは言い返しても今日を逃すと又、新たな日を設定するのが面倒だし、、寿司は逃げやしないさ、。まあ今日の所は家内の機嫌が多少悪くなる程度で納めるっきゃないだろう、。何もオレが壊した訳じゃないんだし、、そして現在自宅待機となっておりまする。

 

でもこれは未だ、内緒だが機種を変えると内臓録画されている番組が全部パーになるらしい、。なので、家内はランチじゃなくて夜に行こうと言うんだろうがそうなったら行くっきゃないかな、こりゃ、。