”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ディック・フランシスの競馬シリーズ

この著者ディック・フランシスはイギリスの推理小説作家で元障害競馬の騎手だ。実際に馬場で活躍していたのは1953年から1957年までと短かったがその後新聞記者などを経て推理小説作家へ転身、主に騎手を主人公に配した作品を多く出版している。

日本では早くから早川書房が目を付け専属翻訳者として菊池光が抜擢され競馬シリーズの第一作1962年の”本命”に始まって2010年までに44冊が出版されている。原題は邦題に準じている訳でもその意訳でもなく全部が漢字二文字で表示されているのだ。邦題は以降、”度胸”、”興奮”、”大穴”、”飛越”、、、、と言う具合だ。無論中身を全部読み、翻訳されているので漢字二文字に集約させるのはご苦労な事だが我々が本屋で探す場合には楽だった。

登場人物は毎回違うキャラクターで皆さん夫々に競馬に関連した人達が主役、それが転落事故で障害を持つ元騎手、とか私立探偵とか、資産家だったりする。共通するのはイギリスの背景らしく厳しい規律環境に育った苦労人、、でも女性にはやたら甘いと言う典型的なイギリス紳士だ。

 

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しかしどれも素晴らしいミステリーなのだが映像化されたケースが極端に少ない。ハリウッドでも映画化されたのは1~2作だし本国でもテレビシリーズ化は聞いたことがない、。これだけは何時も残念に思っていた、恐らく毎回主人公の背景や生い立ちが違い的が絞れない、、そんな事じゃないのかな?読む方は毎回出て来る主人公が違い彼らなりに悪を成敗する筋書きは魅力満載だった。

この全シリーズは日本からロスへ行きそしてオーストラリアを経由して今は札幌のマンション、4畳半を潰して作ったウォークインクロゼットのダンボールに寝ている。