”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

見直したサンドラ・ブロック

原題は”The Blind Side”と言う。アメフトを多少ご存知な方ならお判り頂けると思うがデフェンス側に位置しQBの右側、敵の動きが見難い場所で攻め込まれるのを防御する役目である。大きな身体、ブロックするのに太くてリーチのある腕、それに機敏に動ける身体能力が必要とされる。QBには死角となるところから彼を守る役目が重要でそこからこの題名がついたのだが、、、邦題は何と”しあわせの隠れ場所”、、、???だと!ナンだこりゃ。そりゃ判らないでもないがこれじゃ観客動員は難しい、、何でこんなサンドラ・ブロックが一世一代の演技でオスカーにもノミネートされている秀作にこんな邦題をつけるのだか、、きっとこれはウィル・スミスの”幸せのちから”と同じ根拠だろう、、。


映画は実話で07年にレイブンにドラフト指名されたマイケル・オアの物語である。このところラグビーやアメフトと実話ものが続くがこれは本当に最近の話でご本人も現役でバリバリの活躍中である。

ストーリーは小さい頃から両親には見放され擁護施設を転々としてホームレス同様の生活を送っていたビッグ・マイクがその優れた身体能力を見込まれメンフィスの私立校に招かれる、、ところが学業はサッパリ、折角スポーツ万能を見込まれてもこれじゃ招聘した先生も困った、、ある晩冬の寒い路上をあてもなく歩くマイクに声を掛けるのがサンドラ嬢である。

偶々彼女の長女や長男(この二人、特に男の子の方は助演男優賞ものの演技)が通う同じ学校なのだが南部でありながら同学校には黒人もおらず友達もなく幼年期からのトラウマか寡黙な性格でなかなか打ち解けない、、そんな彼の瞳の奥にある純真さを見抜いたサンドラは自宅に泊まらせることにする、、。そこから一挙に感動編になっていく、、まさにハートウォーミングな映画で悪いヤツは出て来ない、最初は距離を置いていた長女(リリー・コリンズが何処となくオードリーを思わせる雰囲気で将来楽しみ)も打ち解けるようになりサンドラがこれまでとはマッタク違う演技を見せてくれる。機関銃の如く喋りまくるスタイルは変わらないが、、マイクの個人教師役でキャシー・ベイツが出て来るが彼女も見逃せない。

ロードショーに先駆けて公開されたアドバンスプレビューで見たのだが満席の場内でアメフトには馴染みのないオーストラリアの観客にはめちゃ受けが良い、コメディではないのだがそのサンドラのセリフに爆笑する場面が続出、最後もエンドロールが出ても席を立たないし拍手まで起こった、こりゃ珍しい。アメフトのルールが判らなくても問題ないって事、従って日本でも大丈夫、しかし待てよ、やはりワカモノだけを対象にせずもっと熟年層を呼び込まないと、、それなりに世代の高いファンに受ける映画だと思うのだが、、。やはり映画は満席の映画館で見るものだ、その印象が全く違うものになる。