”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ルーズベルト・ゲーム”、読書の秋だ~、

イメージ 1家内と久し振りの会話、、”アナタ、このハード・カバー、、借り物で来週お友達に返すんだけど面白いわよ、、読んでみる?”、、で2行くらいの会話になったのでそれじゃ読むっきゃないかな、、。
 
普段は海外ミステリー専門で日本人作家の本に触れる機会は少ないのだがジェフリー・ディーバーの最新作を読み終わったところだし気分を変えてみるか、、でもこのタイトル、、ナンだ日本人作家が野球について書いたのか??だったのが読み始めるとこりゃもう新幹線に乗った気分、途中下車が出来ないほどにのめり込み結局440頁あるハード・カバーを3日で読み終わった。
 
作者の池井戸潤は”下町ロケット”の作者で他にも日本の誇る技術を生かした分野に焦点をあてた小説が出版されている事は知っているのだが、”ルーズベルト・ゲーム”ってか、、。読んで判ったのだが野球大好き人間ならその試合8対7と点を取り合う試合が最高に面白いとか、それをアメリカのテオドラ・ルーズベルト大統領が断言したとかでこんな逆転、打ち合いありの打撃戦を称するのに命名されたとか、、、ほんとうかな?でも確かに打撃戦で8点とか7点を取り合う試合は確かに面白い、登板するピッチャーは堪らんが、、それは間違いない。
 
しかし単に社会人野球だけのお話ではなくてその企業の存続をかけた生き残り作戦が同時進行で進む。社会人野球は殆どが高校野球などで好きな野球をやっていた人達、それが就職し一般的には総務部あたりに所属しながらその企業、会社の看板を背負ってシーズンを戦い抜く、勿論プロに転向する選手も大勢いるくらいだからレベルも高いし勤務はしていても午後は野球漬け、監督以下コーチ陣もプロの球団並みに揃っている。
 
そんな選手たちを横線に太い縦線では会社が業務縮小を迫られ大幅な人員削減案を余儀なくされる、其処へあろう事か大手競争相手から業務提携、、合併案が出され首脳陣は苦渋の選択を迫られる、、。こりゃもう野球のスコア並みの展開にハラドキだ、、。本体が合併すりゃ野球チームも合併、、選手たちもバラバラになるしそこそこの選手は解雇、それじゃなくても一般社員の削減を進める社長は苦悩の連続。こんな展開じゃ読むのをやめる訳にはいかずついついもう一章、、と進んでしまう。
 
終盤は野球チームに待望の高校野球の花形選手が加入、ずっと社内では臨時雇用者として働いてはいたのだが、、ワケありで野球からは遠ざかっていた、本体の事業もそれこそ9回裏の起死回生満塁ホームランを呼び込むような大胆な作戦によってライバル社を蹴散らす、社会人野球チームも地区予選に勝ち次ぎは東京都大会への進出を決める、、、とメデタシになる。
 
さて映画化かな??その前にTVドラマ化か??実際に社会人野球チームを持つ企業に持ちかけて協賛して貰えばどうだろう?その企業の宣伝に終始しそうだが其処は幾らでも脚色出来るだろう、、主演はダレがいいかな、、そんな余韻に浸ってたらもう夜中の3時だった、、。