”賃貸物件募集中！”の顛末なんだがやはり”寝て待つ”訳には行かなかった、、。昨日、朝っぱらから事務所で２０号の皿洗い機、２５号のエアコンの不具合を直しに来て貰う為に業者が来るのを待っているといきなり電話が、、こりゃ早いな～、、と出てみるとちょっと訛りのあるお嬢さん、”先週お宅の前を通り掛った時にはＦｏｒ Ｒｅｎｔの看板が出ていなかったんですが、、今は何か賃貸物件があるんですかぁ～”、、、”ヘイヘイ、ありますよ。とってもキレイで大きな居間があるタウンハウスですよ、、”っで早速ご案内を、、。
これからの１５分が勝負だ。”とっても静かな環境で、バス停まで徒歩５－７分”、”大型スーパーもその隣です”、”全３２戸あって居住者の平均年齢は結構高いので治安抜群”、”うるさいガキもいませんし、プールも完備、勿論エアコンも完備で駐車場も一台分、ちゃんと自動ドア付きです”、、、と此処まで一気にまくし立てる。もう完全に不動産屋口調である、、、言っている自分がイヤになるぜ、。でもこりゃもう死活問題だし早くに新規のテナントを見つけないと、先週は契約間際で空振りの三振だったし。
兎に角、最初の１５分くらいで室内をご案内しつつ相手がどの程度本気なのか、どんな人なのか、ちゃんと家賃は払えるのか、仕事は、、、、とそれとなく聞き出していかないとダメだ。情報が多ければそれなりに此方も対応が出来るし将来の心配ごとからも解放される。この若いお嬢さん、失礼にならない程度に色々と聞いてみると、、ご両親と直ぐご近所に住んでいるそうな、、フィージー島生まれでオーストラリアの国籍を取得して３年、ずっと看護婦さんをやっているそうでナンと我が娘が複雑骨折をした病院のすぐ傍の別の病院勤務とか、、。ナンかそこまで聞いていると恥らうようなところが可愛い、、フィージー風の顔色なので赤くなったのまでは判らなかったが、、”実は明日、区役所へ婚姻届を出しに行くんです”、、だと？？
まあ要するに両親の元を離れて彼と住む新居を探しているんだそうな、、でも婚姻届を出す前日に物件探しかい？？まあそんな事はいいっか、、、”で彼は何をしてるん？””彼もフィージー出身なんですが工学部を出て今はブリスベンの市内の会社で土木設計技師をやってるんです”、、、ううー、こりゃもう絶対何とかせにゃ、いかんぞ。二人揃って共働き、”新婚さんいらっしゃーい”か、、。”ワタシとっても気に入っちゃったわ、今夜遅くなっちゃいますが何時まで事務所開けてますか？彼にも見せたいの、、、”、そんな事を言われたら”そりゃもう何時でも良いですよ。寝ないで待ってますから是非彼を連れて来てください”。
そして現れた若い二人、もう完全に８時を過ぎてておっさんはほろ酔い加減、、（そりゃ冗談）、で事前に部屋の電気を全部点灯してキレイになったカーペットやキッチンもちゃんと見渡せるように準備、ガレージのドアも開けてお待ちしていると、、うりゃー、ＢＭＷの高級車だよ、、降り立ったお兄ちゃんとその彼女、早速室内へ、、。此処で又、先の”口上”を、、。っで結果お二人とも大変お気に召した様子、彼は市内にアパートを借りているのだが友人の持っている物件なので何時でも解約が可能とか、、其処に住むと彼女が勤務先の病院に行くには遠くなりこの辺が丁度真ん中、しかも彼女のご両親がご近所ってのが決め手だったかな、。勿論管理人を大変気に入ったそうだが、、、、それは言ってない。
そうなるとやる事が早い、今朝おっさんが必死こいてプール掃除をしていると携帯へ電話が、、”さっきメールで申し込み書と必要書類を全部送りました”、、”これから区役所へ婚姻届を出しに行くので暫らく不在ですが、吉報を待ってます”、、。早速彼らの収入から雇用先などをチェック、、凄いな、、そりゃＢＭＷが乗れるハズだぜ、二人で年収が一千万を超えてるじゃん、、、そんなに給料が良いならもっとスッゲーマンションでも借りゃ良いじゃないか、、しっかり溜め込んで買うんだろうか？
と言うわけで書類の審査もそこそこに先方には”審査を通って、所有者とも了解しましたよ”でメールで通知する。見事にサヨナラホームランが飛び出してこれで賃貸物件は全部塞がりました。アチラも婚姻届を出す当日に引越し先が決ったのが嬉しいとか、、。
先の空振り三振もあるので”勝負は下駄を履いても歩き出すまで判らない”のだが今度は大丈夫だろう。
でも考えさせられたよ、、彼氏が２９歳、土木技師、彼女が２６歳、看護婦さん、それで二人合わせて円換算して８桁以上の収入かぁ～、、日本じゃ考えられませしぇん、、。
賃貸が決ったのはいいけど複雑な心境になっちまったな、でも果報は寝てちゃやって来ない、しっかり寝ずに汗水たらして働かにゃいかんのだよ、若いもんには負けんぞ。とは言ったもののそりゃ無理だよおっさんには、、これじゃ今夜は賃貸決定で祝い酒かヤケ酒か判らない。
