”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”355” (22年)

この邦題からじゃどんなジャンルの映画かその内容さえも想像出来ない、、原題だってそのまま”The 355”と言うらしい。劇中なかなかその意味が判らないのだが終盤になってやっと誰かのセリフで”355ってのはアメリカ独立戦争中に実在した女性スパイ”らしいって事がやっと判るのだ。

 

主演はジェシカ・チャスティン、ダイアン・クルーガー、ペネロピ・クルズにルビタ・ニョンゴと来れば邦題は”四人の女諜報部員”でも良いのだが、、まあ話は”チャーリーズ・エンジェルス”に一人追加したみたいなものでかなり他愛ない。

劇中のセリフにも出て来るがジェームズ・ボンドをかなり意識したようで四人の女性が夫々アメリカのCIA,イギリスのMI6、ドイツのBND,そして南米のコロンビアはDNIと夫々が所属する各国の情報部に所属していてジェームズなら一人でやれる事を此方では美女四名で対処するって事だ。

 

 

物語は南米でスタート、、麻薬カルテルの親分の息子でPCオタクの若者が世界各国何処のコンピューターへもアクセスして破壊作業を行えると言うソフトを開発してしまう。その権利をテロ組織に売り込もうとするのだがそれを阻止すべく送られたコロンビアの特殊部隊は何故か待ち伏せに合い全滅、中に一人残った諜報部員が部隊を裏切りそのソフトを奪取逃亡してしまう。

 

っと素早い展開で此処までは見せる。そしてそのソフト奪還の任務を請け負うのがメイス(J・チャスティン)で糸口を追跡中にドイツのBNDマリー(D・クルーガー)と奪い合いになってしまう。それから今度はメイスの友人でもあるイギリスのMI6所属のハディージャ(L・ニョンゴ)が加わり最後にコロンビアのDNIグラシェラ(P・クルズ)が加入して四名の女性連合軍が完成する。更に後半には中国情報部からは謎めいた女スパイとしてリン(ファン・ビンビン)も出て来るのだ、、。

 

なかなかスピード感、意外性、彼女たちの魅力感それにプロットは良いし時間の経過を忘れて見れる。夫々に特技があって最終的にはみんなで力を合わせてそのソフトが満載されたスマホ大のデバイス発信機を追って世界を駆け巡るお話である。

 

どうやら主演でエクゼクティブディレクターも兼任したジェシカ・チャスティンが女性を主人公にしたスパイアクションを制作すべく計画案を作り売り込んだらしい。終盤のテロップになる前に4人が夫々の生活に戻って行くのだが”又、逢おうね”と言い残しているので続編ありかも知れないぞ。

日本の洋画離れが深刻

日本の洋画産業が衰退している、、と言う記事を先日「東洋経済」で見付けた。確かにこのコロナ禍で何処の映画館も洋画、邦画の区別なく大打撃を受け観客動員が減少しているとは聞いていた。更にはそのコロナ禍の最中、人々は映画館へ行く事なく自宅でコンテンツを楽しめる便利さに目覚めてしまいそれをもっと推進すべくアメリカのプロデューサーも配給元もAmazonNetflixを中心に映画作りに走っている。

 
彼らの手法はネットで配信し課金する事が常套手段なので別に映画館へ来てくれなくてもヒットすれば収益が上がると言うものだ。って事は映画館への動員数が減っているって事は即ち己の首を絞めているって事じゃなかろうか?まあこれは日本に限らず世界中で起きている現象だとも言われているのだが、。
 
先の記事ではそんな映画界の現状からもう少し視点を変えて検証した結果、日本国内での洋画の観客減は深刻な問題であるとなっていた。例としてつい先日公開された「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」は世界レベルで大ヒットし収益も前作を超えるほどだったようだが何故か日本じゃ大ヒットには至らず僅か前作の30%止まり、42億円で終わってしまったとあった。
ブラッド・ピット主演の「バビロン」も大コケし「The First Slum Dunk」が120億円の興収だった事と比べると完全に洋画離れ状態と言っても良いのだ。辛うじてトム・クルーズの「トップガン マーヴェリック」が136億円と頑張っただけである。
 
そしてもっと衝撃的な事は国内で年間に上映される映画の比率が邦画、68.8%に対して洋画は31.8%って事である。この数字はボクら世代にしてみれば起き上がれないくらいにショッキングだ。
 
なんと言っても日本の人口比率から見れば我々世代が一番多いハズ、その団塊の世代&プラス世代が映画館へ行かなくなったらそりゃ即、洋画離れに繋がるだろう。全員が一緒に加齢しているんだから抜け駆けはあり得ない。そうなると矢張り映画の内容そのものが今や我々好みではなくなっていると言えるだろう。
 
この記事の中にも近年は大作=CG満載で内容より視覚、聴覚に訴える制作方法が主体である、、と書かれていた。要するに中級のヒット作、そして大人(高齢者?)が足を運びたいと思わせる映画が極端に少ないのではなかろうか、となっていた。
 
確かにホームランをかっ飛ばした時の爽快感はあっても野球じゃないがセンター返しを心掛けヒットを繋ぐ、それ程制作費も掛かってないが心に訴える、響く映画を追い求めているのだが。まあ作る皆さんは元よりそれを信条に映画作りに励んでおられるんだとは思いますがね。
 
かく言うオレだってやれ鑑賞限度は2時間40分だ、とか吹き替えはダメだ、アニメも嫌、最終回もイヤだと散々ゴネている。それにこの物価高、シニア料金だって痛手になるし倹約するとしたらどうしたって暖房費はケズれないので映画代を選ぶっきゃないのが現状である。
 
 

”ナイト・マネージャー” シーズン2(23年)

嬉しいニュースが昨晩入って来た。それはトム・ヒドルストンがストイックなスパイ振りを演じて絶賛を受けたジョナサン・パイン役で復活するのだ。シリーズはジョン・ル・カレの原作による”ナイト・マネージャー”、そのシーズン1は2014年に配信され6話で完結している。今度はそのシーズン2で背景は現代との事だが同じ制作陣と脚本家が抜擢されていると聞く。

 

 

ボク的にはこのトム君が一番ジェームズ・ボンドに近い役柄でこのシリーズを見た時にダニエル・クレイグの後釜に納まっても良いのでは、、と思い続けて来た。でもその後、”キングコング”やアメコミに出る様になってしまい忘れてしまった。

このシーズン1では背景がエジプトの高級リゾートホテル、そのホテルで夜間マネージーを勤めるジョナサンがひょんな事で美女を助け一瞬のうちに恋に落ちてしまう。ところがその情夫であるリチャード(ヒュー・ローリー)ってのが極悪人で武器商人、イギリスの情報部MI6から目をつけられている、、。

そんな冒頭から始まる、もうジョン・ル・カレ100%の面白さでその後、MI6がジョナサンに近づいて来て何とかリチャードに取り行って情報を流して欲しいと半ば強制的にスパイとして活動する事を強要されるのだがその手段がもの凄い。

何とリチャードの一人息子を誘拐して身代金を要求する、、それを裏で操るのがMI6、そして情報部の職員が誘拐犯に化けているのだがジョナサンは身を挺して子供を誘拐犯から取り戻すその過程で味方を銃撃する事になってしまう。だがその時の大活躍で息子からはヒーローとして崇められパパからは信頼のおけるボディガードとして何処へ行くにも彼の右腕としてご奉公する程に信頼を厚くする。

実は原作は未読なんだが映像化されたシリーズものとしての完成度は非常に高い。海外ロケも多く下手な長編映画より脚本もしっかりしてて大満足出来る内容だった。今度もアマゾンが制作に関与しててネット配信がメインとの事、恐らく6~8話で完結となると映画館上映はムリだろうが早くして欲しい、、シーズン1が終わってからもう10年近くが経過しているんだ。

 


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“Endeavour ”(23年)

邦題は「刑事モース」あの古い方じゃない新米刑事振りを描いたオックスフォード事件簿なんだがこれまで2012年にパイロット版が公開されシリーズが8話まで来ている。そしていよいよ一昨日に本国のイギリスで放映が開始された。

 

この時代、日本に居ながらでも何とか見れないものかと試行錯誤して本国の配信元へ辿り着いた。どうやら自分の個人情報を登録すれば見れると言われ淡い期待を保ちつつアクセスしたんだが、、制作元のITVXと言う会社ではオレが何処からアクセスしているか判るようで「貴方の住んでいる国からはアクセス出来ません」と表示される。ならば他の方法はと探したら今度はVPN(virtual private network)に加入してメンバー費を払えば見れるそうな、、。

それって結局はJ:COMWOWOWAmazonなどと同じ有料サイトって事じゃないか?探せば無料で視聴出来る裏ワザもあるそうだがそんな事で折角快適なPC生活に支障をきたされてもイヤなので断念した。

 

 

そうなると今度は一日も早くWOWOWが買い付けて配信してくれる事を待つっきゃない。今のところ「イェローストーン」の4話以降のシーズン、そして主演のケヴィン・コスナーのひい爺ちゃんを演じるハリソン・フォードヘレン・ミレンが夫婦を演じるスピンオフ版とAmazonがこれまでのシーズン全部を配信している「ボッシュ刑事 Bosch Legacy」の続きの放映を待っている。

映画館とはすっかりご無沙汰、、なのでこんなシリーズもので満足するっきゃないのだ。

”SPY CITY ~ベルリン1961” (20年)

英、米、仏、ソ各国の支配地域が存在する東独、時代は60年代前半、その冷戦時代を背景に繰り広げられるスパイ合戦、、と来たらもう解説を読む前からのめり込んでしまう。本邦初公開との事で毎週、“スーパー!ドラマTV“と言うチャンネルで放映が開始された。此処でも吹き替え版が主流らしいがそれでも字幕版の配信もありそれは火曜日の深夜12時と書かれている。それまで起きて待っている訳には行かないので自動録画を設定し翌日見る事にした。

 

 

合計6話からなる物語だそうだがシーズン1の出だしは007/ジェームス・ボンドの雰囲気で主人公のフィールディング・スコット(ドミニク・クーパー)が東ドイツ内のビル内でいきなり死闘を演じる。何とか相手の銃を奪いトイレ内の便器に頭を打ち付けて退けるのだが上着の隠しポケットに見つけたのはイギリスのパスポートだ。どうやらいきなり襲って来たそいつは同業者らしいのだ、、、。

 

そして一年が経過し今度の舞台はロンドン、上司に呼ばれ指定された市内の会員制クラブへ出向くと次の任務は東ドイツからある科学者を西側へ亡命させる事を言いつかる。その科学者はどうやら重要なミサイル・ガイダンス・システムを開発し奥さんと娘の三人でイギリスへ帰化したいと言う希望だ。

 

主役の二人、、CIAからやって来たブロック(ロマンス・ポータイル)と英国情報部のフィールディング・スコット(ドミニク・クーパー

 

そんな新しい任務を四か国共同で実施する事になり担当者が各国から会議場へ送られて来る。その実行日、現場を任されたスコットとCIAの担当者が出向くとアパートの玄関先には小型トラックが横付けされ大型の木箱を運び出している。二人は慌てて階上へ行ってみるとその亡命希望の一家三人が寝室のベッドの上で並んで殺害されている、、。

 

っとまあ此処までが第一話、こりゃ来週の二話を目指すっきゃないだろう、。こんな終わり方は常套手段で来週も見てよ、、って事なんだが見事にオレはハマってしまった。全部で6話なのでこの先野球が始まるまで楽しみが尽きないじゃないか?