”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

バンテージ・ポイント

イメージ 1

原題は"Vantage Point"、こりゃテニス用語で優位に立った事、いやポイントなので眺めとなるのだがそれがそのまま”バンテージ・ポイント”如何してもっと考えた邦題をつけられないのかな、、この程度の映画には時間をかけちゃいけないのだろうか?せめて”暗殺の視点”とか”大統領を狙え”とか同じ時間をかけない覚悟なら重複してでも少しでも内容に期待を持たせるべきではないかと思うのだが、、。

アメリカ大統領が先進国首脳サミットに出席する為にスペインに赴く、会場の壇上にて挨拶をするさなかテロリストの凶弾に倒れ暗殺劇がスタート、、しかし撃たれたハズのその大統領は実は替え玉で自らを標的として差し出す事もいとわないシークレットサービスが偶然その場面を撮影していた旅行者のビデオを頼りに真相を追求していく、、。このプロットなら充分盛り上がるし果たして謎は、で期待一杯になるじゃないですか。

この筋書きなら洋画ファンならずとも見たくなる。そこで見てみると、、おいおいおいの連続で多少の無理はそりゃ映画なんだから誰も承知、ところが話が夫々のキャストの側から見た異なる情景をフラッシュバックするのは良いけどそれが余りにも頻繁でそう何回もやられるといい加減現在は何処の、誰の場面?と大混乱、おまけに非現実さがずば抜けてしまいもう呆れるばかり、、、おい、制作者、幾ら映画とは言えこれでは余りにも観客をバカにしていやしませんか、、、?普段、かなりな駄作でも映画には必ずや良い面もあるんだからと自分を戒め常に良い部分に眼を向けるのが常なのだがこれはもうお手上げ状態、、こんな映画を見ると何でおっさんにも映画が撮れないのかな~、と不思議な気持になってしまうものです。

サミットの会場自体一般人が周りに溢れる街の広場、後ろには各国首脳が勢ぞろい、そして広場の回りには古い建物がひしめきこれじゃ何処からでも狙撃が可能だ。爆薬を持ち込んでその背景にあるビルを爆破するのだがそれだって如何に爆薬を裏切った警官に持ち込ませたとしても一人の警官がバッグに爆薬を一杯詰めて持ち込むなんて不可能でしょ。カーチェイスも派手にあるが結構この爆発地点から犯人どもが走って遠ざかった感じなのだが最後は何と足で走っても数ブロックの地点で万事終焉、、ええっーあれだけ走り回って色々クラッシュしても未だ其処に居たのか、、?みたいで。他にも母親とはぐれた女の子がいきなりがんがん車が走っている通りへ呆然と足を踏み出して行くなど途中からすっかりシラケムードに突入、、折角プロットも良く視点も上手く使い分けているのに勿体無い。

クライマックス君も何とあっけない、、テロ首謀者の主義主張はもっての他で説明の必要もないが何の背景説明もなくあっけらかんと極悪人どもは全員射殺、替え玉だった大統領は一体どうなったのかの説明もなくハイ、それまでよ、、。折角の極上のトロを食い忘れ、冷蔵庫に二晩放置してしまったような映画である。