”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”チート”、主演は早川雪洲、、

Yahooの知恵袋、外国映画の項目でこの映画の事が知りたいとの質問があった。たまたまブログを通して知り合ったお友達のご好意で昨年日本で放映された時に撮った貰いわざわざ当地までお送り頂いたビデオがありそれを再度検証したのでその結果を;

・ アラカウ氏の部屋の装飾はふすま仕立ての仕切り、そして卓上には鳥の置物、象の置物、植木、焼きごて用の火鉢、鳥居マークの焼きごて、後部には甲冑らしき置物、大仏らしき仏像、香を焚く陶器などが散乱している。床には畳に見せかけたゴザ状のものが敷かれ靴を履いているかどうかは不明なれど東洋的な雰囲気で統一されている。最初に出る説明文が”ビルマ象牙王”となっているのでとても主人公が日本人とは断定し難い、、、しかし登場する書生二人が夫々着物姿(片方は着流し)で婦人に贈り物としてキモノを押し付けている場面があるのでどうしても日本を意識せざるおえない、、。尚、庭には灯篭や丸橋があるがとても日本庭園と呼べる代物ではない。

・ 終盤になってアラカウが当時の電話器(送信部分と耳あて部分が別)を使って婦人と話すカットが入るので当時立派に電話は機能していた事が判る。映画の冒頭にも婦人が電話を使うシーンがある。

映画自体は1915年度制作、立派なハリウッド映画で大物プロデューサー、セシルBデミルである、しかしトーキーでもなく色もない。要するに字幕が出てその場面場面で何が話し合われているかが表示されるだけである、、BGMは後付でついてはいるが擬音もセリフも勿論ない、、。早い話もう100年近くも前の映画だがその主演が早川金太郎と言う千葉県の網元出身のれっきとした日本男児である。

この早川雪洲、早くに単身アメリカに渡り苦労されて来た、、芝居中心に活躍されていたそうだがその芝居を見た先のデミル監督が映画出演の交渉をしたそうな、、100ドルでも高い相場を出演料1000ドルと吹っかけそれがそのまま通ったとは解説の淀川先生。何か別の機会に読んだが映画自体は無声映画、でも口パクはしなきゃならん、、そこで早川先生、早く撮影終われ、、と念じていたそうな。当然彼が何を喋ろうが周りの連中には理解出来ずだったそうな、、又、今でもハリウッドのスタジオ撮影現場へ行くと”Sesshu”と呼ばれる小道具があるそうな、、それはタッパのない俳優さんが相手と釣合いを取る為に乗る台だとか、、トム君もこれのお世話になっているんだろうか?

広くはこの早川雪洲氏、”戦場に架ける橋”のサイトウ大佐役でブレイクしたように思われるが何の何の当時はもう還暦を過ぎておりハリウッドやパリを舞台にそれまでの活躍は大変なものであったそうな、、。後年の三船御大より数十年前にハリウッドに君臨していた日本人がいたのである。