”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”From Paris With Love"、、

”From Russia With Love"、これは007を主人公にしたまさに”古典”であるが今度は”パリ便り”だ、多分制作側ルック・ベンソンもこのタイトルは意識していたんだろうな、、。ロシアのほうはもう何十回と見ているので此方のパリも見ない訳にはいかない、そこで早速電話線を引っこ抜き、携帯の電源も切って鑑賞だ。
 
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舞台はパリのアメリカ大使館、そこに勤務する若いジェームス君(ジョナサン・ライス・メイヤース、ちょっと昔のジョニー・デップ似で現在売り出し中)は情報部員とは言ってもまだ駆け出しで下働き専門だ。最近花の都パリで恋人が出来てルンルン気分、ある晩突然上司の呼び出しに応じて空港へ、、。
 
本国から送られて来たのは凄腕情報部員のチャーリー(ジョン・トラボルタ)を出迎え早速パートナーを組んで仕事にかかる。このチャーリーと言うおっさん、無骨でとても007みたいな洗練された所はない、丸坊主姿のトラボルタがもう55歳を過ぎているってのに凄いことになっている、、。最初は麻薬シンジケート撲滅に付き合わされているような雰囲気、中国系のマフィアのアジトを探り出し急襲、次から次のアジトを攻めては何か情報を聞き出している様子のチャーリー、しかしジェームスには始めての”現場”経験で銃さえ撃った事がない、第一このおっさん、いたって傲慢で一瞬のうちに4人もの相手を倒す技は007以上である、、パートナーと言ってももう足でまとい状態で何がどうなっているのだか彼自身も見ている観客のほうも判らない。
 
映画の出だし20分程度は各駅停車、丁寧にパリの情景やジェームスの仕事振りやフィアンセとのやり取りが続く、トラボルタのおっさんがやっと登場するのがその後でその辺から準急並みのペース、麻薬の売人を急襲する辺りからはもう急行、、で最後はもう新幹線並みのルック・ベンソン技法に圧倒される。
 
麻薬の売人とシンジケートを壊滅したあたりからチャーリーの本当の任務は何処か違うところにあるような雰囲気が。実はアメリカの貿易通商交渉団が国務大臣を団長にパリを訪問する予定、それを自爆で攻撃するテロ組織が暗躍していてそれの阻止が本当の任務と判る頃は映画はクライマックスに突入、。自爆テロが乗用車に爆弾を満載に高速道路を逆走して国務長官を先頭にした車列に向かって行く、、更にはプランBとして貿易団歓迎の会場には身体に爆弾を縛り着けたナゾの女性が密かに忍び込んで行く、、さていったいチャーリー&ジェームスはこの”危機一髪”にどう対処するか、、。
 
こりゃ映画館で大枚叩いても良かったかな、、一時期のルック・ベンソンとは違いもう堂々たる演出、企画で観客をどう喜ばすか合点承知の90分であった。007へのこだわりも一つ、出だしの場面で駐仏大使とチェスの対戦をするジェームス君、大使は全くかなわない、、設定がチェスの達人なのだがこれも半世紀近く前の”From Russia With Love”のオープニングと同じである、。