”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

同じ映画を何回見たら気が済むんですか?

これは家内から投げつけられた言葉である。実はこの3週間、月~金の5日間連日例の”性はボンド、名はジェームス、、生まれも育ちもロンドンで御座います。人呼んで007と発します、、、”を全編又、又、又、見てしまったのである。ショーン・コネリーが初めて抜擢された”ドクター・ノー”(62年)から”ダイ・アナザー・デイ”(02年)までの20本である。
 
Foxのケーブル局では4-5年に一度こんな企画をやる。それにまんまとハマってしまった訳だ。終日4回放映されるのでその気になれば何処かの回を見れるのだが過去こんなに連続して見た事はなかったな、、まあ20日間に20本見たって事になるのだが、。
 
イメージ 1
これはジェームズ・ボンドが始めて画面に登場する場面である。映画は”ドクター・ノー”、カジノで相対する女性に自己紹介するシーンだがもう48年も前のことである、。
 
それから”ロシアより愛を込めて”(63年)、”ゴールド・フィンガー”(64年)、”サンダーボール”(65年)、”007は二度死ぬ”(67年)、と合計5本それも殆ど毎年制作していたのには驚かされる。
 
流石に最後の日本行きになる頃は企画もプロットも脚本もイアン・フレミング爺の原作を満足に継承する事が出来ず興行成績も残念な事になってしまった、、。
 
イメージ 2
そんな結果からショーン・ボンドは降りて次にボンド役に抜擢されたのがジョージ・レーゼンビー、、映画は”女王陛下の007”(69年)である。
 
原作はすこぶる付きの傑作で宿敵プロフェルドがイギリス伯爵の称号を得ようとする隙に乗じてアジトへ潜入する007、イタリアからスイスアルプスへ舞台を移して大活躍、、最後には結婚までするのだがやはり何と言っても、このボンドは、、イカンかった、、でこの一作だけでチョン、、。
 
 
 
 
イメージ 3
 
慌てた制作側はイヤがるショーン御大に再度ご出馬を願い作ったのは”ダイアモンドは永遠に”(71年)、でもラスベガスを舞台にしたこの映画はふざけた殺し屋コンビが全くそれまでの007スタイルに合致しておらず散々な成績、映画自体も、、、、、な評価。
 
で次作に抜擢されたのがロジャー・ムーアである。この人の007デビューが”死ぬのは奴らだ”(73年)、それから”黄金銃を持つ男”(74年)、”私を愛したスパイ”(77年)、”ムーンレイカー”(77年)、”ユア・アイズ・オンリー”(81年)、”オクトパシー”(83年)、”美しき獲物たち”(85年)と最多の合計7本が作られた。
 
時代は73年から83年、どちらかと言うとアクション映画全盛期だったのだが何をやっても絶対死なない殺し屋のジョーズとかプロットも宇宙へ飛び出すものや大型タンカーが潜水艦を飲み込むやらで荒唐無稽な展開が続く、、、そりゃ映画なんだから現実にはあり得ないことがあって当然だが目に余る設定であった。それだけ世の中が上手く行ってたって事になるのかも知れない、何せ映画本来の楽しみ方が満載されていたのだから、、、。
 
イメージ 4
そのロジャー・ボンドも45歳で007を引退、彼の後釜に抜擢されたのがこの人、ティモシー・ダルトンである。実はショーン・コネリーの後任候補に上がっていたのだが実現せず87年になってやっと”リビング・デイライツ”(87年)で登場する。
 
このシェイクスピア俳優、これまでのボンドと違って至って真剣、得意の笑わせる気取ったセリフも彼が言うと真面目に聞こえてしまう、、。で結局映画は次の”消されたライセンス”(89年)の二作どまり。
 
アクション映画の出来としては先の荒唐無稽さが売りだったロジャー・ボンドからは一転、アメリカの麻薬捜査に携わり親友、フェリックス・ライターの敵討ちに終始する一見派手さはあっても内容はしっかり足を地につけた内容でシリーズ中でもかなり上位の出来である。
 
 
 
イメージ 5
 
それから95年になるとこの人ピアース・ブロスナンの登場である。
 
まず”ゴールデン・アイ”(95年)、それから”トウモロー・ネバー・ダイ”(97年)、”ワールド・イズ・ノット・イナフ”(99年)、そして”ダイ・アナザー・デイ”(02年)とマッタクふざけた邦題が続く、、折角の良い映画なのにこりゃ本当に勿体無い。担当者何とかならんのかね、、????
 
このピアース・ボンド、最初から4本の契約だったのでそれが終わるとさっさとシツレイしちまった、、。一番最近見たから印象がそれだけ強いんだろうがもっとやっても良かったのに、、なかなかのボンドだった。
 
今回のTV放映はここまでの20本。ダニエル・クレイグはまだ最近過ぎて版権の都合上上記パッケージには入っておらず放映されないが”カジノ・ロワイヤル”(06年)も”慰めの報酬”(08年)も既に何回も見ているし、、。
 
イメージ 6
これだけ長期間同じシリーズものとして制作された映画はないそうだが今回見ていてこりゃやはりアクション映画の原点かなと思い当たった。全てのシークエンスが網羅されており背景も世界中これでもかと入れ替わる、、生粋のハリウッド映画であったらここまで制作されることはなかったのではないだろうか、。
 
次作Bond23は制作側のゴタゴタがあったがこのダニエル・クレイグを007に2012年11月公開で制作される。果たしてこれから先、何処まで見れるだろう、、Bond30の公開初日、劇場でエンドクレジットと共に席で息を引き取ってた、、何てのは理想かな、、。
 
最後に”同じ映画を、、”と言い放ったご本人、、何の事はない自分の方から”今日はジェロジェッロセヴンは何時から?”でその時間になると料理はそっちのけでソファに鎮座する始末、、結果5-6回は台所に立たされた、、まあこっちは違う時間帯で見ているし、、片手にはヴォッカ・マーティニ、、これじゃキッチン・ドリンカーだ、洒落にもならん、、。