何と今上映されているこのお猿の惑星は68年のチャールトン・ヘストン主演の傑作を含めて7本目になる、、。
猿の惑星(68年) - 宇宙飛行士のチャールトン・ヘストンがある惑星に不時着、そこでは猿がすべてをし切っていると言う設定、最後に海岸線で半分砂に埋まった自由の女神像を目にしててっきり他所の惑星だとばかり思っていたのが実は人類が滅亡したあとの地球であったと言う設定、、。
この結末には本当に驚いた。意表を突く展開でまさにこれが活動写真、画面に魅入ったものである。原作はフランスのピエール・ブールと言う作家が63年に書いた小説だが映画用にと大分加筆されている。
勿論当時の特撮技術ではお猿のメークを俳優に施して演技をする、のが主体だったのだが堂々オスカーにもノミネートされ担当したジョン・チェンバースが特別賞を授与されている。
続・猿の惑星(70年) - 柳の下の”猿”を狙って案の定、続編が制作された。今度は当時はチャールトン・ヘストンとは見分けがつかないくらい似ていたジェームス・フランシスカスが先の先輩を捜索しに宇宙船でやって来る。監督のせいかストーリー性が乏しくお決まりの設定、挙句に最後はやっと見つけたチャールトン先輩も一緒にやられちまう、、猿が益々図に乗る、、って結末。
新・猿の惑星(71年) - 先の宇宙飛行士二人はサイナラ、なので今度は一作目から出ているキム・ハンターとロディ・マクドウォールを主演に無理やり作ったのがこれ、。何と続編で消滅した地球から脱出してくるのだがそれはタイム・マシーンでの話、破滅する前の地球に飛んで来て今度は人間のなかに知能を持った猿が来ると言う設定。
猿の惑星・征服(72年) - 前編で主役の二人の間に生まれたお猿、マイロが主役。そのマイロがシーザーを名乗り人類に反旗を翻す。地球のお猿に呼びかけて人類に挑戦する、、ってのが主題なんだが、、折角J・リー・トンプソンを監督に迎えて撮ったのは良いがもう斬新で新鮮な舞台設定もなくTVドラマみたいになっちまった。
最後の猿の惑星(73年) - 止せは良いのに又、作っちまった。今度こそ最後かな、、先のシーザーが主人公、お父さん役で死んだロディ・マクドウォールが再演。もうロクに覚えていないのだが、、確か地下で細々と生きる人間達は放射能に感染しミュータント化していたような、、、シーザーが過去を振り返って自分の生い立ちを知るような内容だった記憶があるのだが、、、。
とまあ此処までがフランチャイズ化されたお猿さん映画の顛末である、、、しかしこれでは終らない。
2001年にはリメイクされた、、題名はそのまま”猿の惑星”邦題には英語が併記され今度はマーク・ウォールバーグが宇宙船の船長。監督はティム・バートンでそれなりの出来、結末は先のラストよりは衝撃が少ないがそれなりの解釈だった。最後チンパンジーの飛行士が時空を超えて現れ同胞のお猿たちもビックリだ。
そして2011年、これでもかと又、作られたのが”猿の惑星・創世記”、、。Rise(立ち上がる)を創世記とした翻訳に拍手を送りたい。
流石に年月の経過による撮影技術の進歩は凄い、、一作目を作った制作担当者がこれを見たらそりゃもう腰を抜かすかな、、。何処までが合成で何処からがメークを施した俳優さんの演技なんだか、、??全編これすべて合成アニメと言われても判別出来ない。
設定はかなり無理がある、、しかし人類滅亡に向かってこんな風にお猿に征服されていったんだ、と思わずギリアム監督の秀作、”12モンキーズ”を思い出した。
終わりのクレジットで席を立つ観客がいたが、、、ちょっと待ってください。最後の最後にどうして人類が滅亡するのかを予言するクリップがあるのでちゃんとご覧くださいよ。
何処かで見た女優さんだな、、、と結局判らなかったのだが検索してビックリ、何とあの”スラムドッグ~”で主演を演じていたインドのフレイダ・ピント嬢じゃないですか、、すっかり綺麗になっちゃって。英語もすっかり堪能に、、ちょっと前のジェシカ・アルバ嬢に似てるかな、、あんな雰囲気か。これからが楽しみな女優さんです。
男優さんは”スパイダー・マン”シリーズでもお馴染みのジェームス・フランコ、両人とも今は引っ張りだこ状態で出演作が目白押しだそうな、、。
結局なんだかんだと言いながら最初から40年をかけてこのお猿映画を全部見ているって事になる、、しかも全部映画館で、、。今は只のおっさんだが前世はやはり猿だったのかな???