”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ドクトル・ジバゴ”

最初に公開されたのは65年、70mmの大画面に釘付けになり3時間超えの大作を”休憩”を挟んでダレる事なく楽しんだ。字幕もなく英語も良く判らなかった当時、ロシアの大地と背景に流れるテーマ曲に最後まで感動させられたものである。監督はイギリスの名匠デイビット・リーン、”アラビアのロレンス”、戦場にかける橋”などを手掛けた名監督だ。
 
イメージ 1これは公開当時のオリジナル・ポスターだそうだが主演がオマー・シャリフジュリー・クリスティー、ジェラルディン・チャップリン、更にトム・コートニー、ロッド・スタイガーアレック・ギネスと早々たる配役だ。映画は戦後のロシア、義兄弟だったアレック・ギネスの語りで綴られる壮大な叙事詩だ。
 
原作はボリス・パステルナーク、詩人、医者でもあるユリ・ジバゴの過酷な生涯を綴ったものなのだが、、。大画面で見た時はもう圧倒され続けで本心他のことを感じる余裕もなかった、、尤も此方とらも若く純真な”好青年”だったんだから主人公が戦争や革命の渦中に放り込まれ人生を愚弄されるさまに何と理不尽な事をと、、同情をしていた。
 
それが45年を経過してこっちも人生をおおかた経験してTVのちっこい画面で見てみると、、ナンだコイツ随分過酷な運命に弄ばれている割には自分勝手な、、となる。
 
戦地で医療活動を続けやっとの思いで帰国すると子供はもう4歳、大きな邸宅は共同住宅になってはいるが若い奥さんは元気で義父も一緒、戦火に迫られそこから田舎へ疎開、奥さんも妊娠して不自由ながらも大地に足を据えた生活環境を取り戻す、、しかしあろう事か医療活動中に看護婦として手伝ってくれていたラーラ(ジュリー・クリスティー)が忘れられない、人妻だと知っていながら会わずにいられない身勝手な男になっていく、、。
 
やはり映画と言うのは最初に見た年齢、環境、映画館、、、などなどの条件で印象がことごとく変わってしまう。この45年の間、これが初めてではないのだが最初の印象を大切に仕舞って置けばよかったかな、、でも全く逆に改めて見て評価が上がる映画もあるし、、これだって映画としてはずば抜けた秀作だし不服は一切ないのだが主人公が家庭を顧みず出て行くのが辛い、まあ本人”こりゃヤバイ”と気を入れ替えてとぼとぼ馬で奥さんの元へ帰って行くのだがその途中で反乱軍に拉致されちまう、、。これが二兎追うものは、、の例えじゃん??