原題は”Suddenly!”、、”突然!”なんだがそれとは裏腹にその舞台は平和で何事も起こらない田舎の町名である。シナトラの映画はかなり知っている積もりだったのだがこの54年に制作された映画は全く知らなかった。邦題も最初ビデオ化された時に”サドンリー/ある日の出来事”に変更されていたそうな、。でも刺激的な”三人の狙撃者”と書かれればどんな映画かな?と気になるではないか、、。で、見事にその邦題に引っ掛かってしまった。
シナトラはこの前年、念願のオスカー(助演男優賞を”地上より永遠に”で)を受賞している。なのにナンでこの映画で極悪非道な殺し屋を演じたのか、、映画”ゴッドファーザー”の逸話にもあるようにドンに頼んで映画界に復帰、見事オスカーを受賞した割にはこれは???と思う主演作じゃなかろうか、。
映画はこの”サドンリー町”へアメリカ大統領が列車で乗り付けそこから乗り換えて車列を組んで所用に向かうので警戒せよ、、と保安官事務所へシークレットサービスから電報が入る。警備を固める為に先遣隊が入り街中を警戒するのだが時を同じくしてFBIの捜査官3名もやはりこの町へ入って来る。鉄道の駅を見下ろす一軒家に近付き、警備の下見だと偽って中に入り込むのがシナトラ親分を含む偽FBI捜査官たち、、彼らは駅で下車する大統領を狙撃するのが目的なのである、、。
其処へ見回りに来た本物のシークレット・サービスと保安官、それとこの家に住むお爺ちゃんと未亡人の娘とその息子らが人質になり列車が停車する5時まで緊迫したやり取りが続く訳で殆どリアルタイムな設定はよか。しかしなあシナトラは幾ら悪人ぶっても、そりゃ本物はもっと凄い悪人だったのか知れないが、、画面ではどうにもそれらしい貫禄もないしお爺ちゃんに諭されてあっけなく銃を渡してしまうような雰囲気が最後まで漂う、、。
あっけなく大統領は事前の通報で列車も停止せずにそのまま通過、、事なきを得る。”三人の狙撃者”も自分達が狙撃されてしまいハイ、ご苦労さん、、で終わり。劇中大統領の値段がシナトラ親分曰く50万ドル、とかで今に換算すれば5千万円(安いな!)でそれが報酬だったらしい。半分前金で貰っているので仲間の一人がそれだけ貰ったんだから狙撃しないでこのままトンヅラしようぜ、、そうして置けば良かったのにな、でもそうなると映画もあっけなく30分で終わっちまうか、。