”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”Wrecked"、直訳すれば”遭難”なんだが、、

どうも最近の映画鑑賞も空振りが多い、、30年代から一気に11年に飛んでみたのだが残念ながら今回もクリーンヒットには繋がらなかった、、。原題は”Wrecked"、綴るとピンとこないが”レッカー移動”に使われる”レッカー”の原形である、まあ”遭難”したとか”よれよれで動けない”みたいな意味なのだが。日本では未公開でいきなりDVDスルーらしい、、折角エイドリアン・ブロディが主演しているのだが。
 
この人、02年の”戦場のピアニスト”で全てを出し尽くしてしまったんだろうか??オスカーの授賞式でハル・ベリーを相手に派手なパーフォーマンスを演じたので業界から締め出されたのかな?”キング・コング”やその他アクションにも出ているのだがどうもパッとしない。この映画も同様、、。
 
イメージ 1映画はいきなりぐちゃぐちゃになった車内に閉じ込められた”男”が目覚めるところから始まる、、それがエイドリアンなのだが、。足がダッシュボードに挟まって身動きが取れない。しかも後部座席には死体があるし何でどうして此処にこうしているのか記憶が断片的に途切れて自分の名前さえ思い出せない。こりゃ緊迫の脱出劇かな、と思わせる展開。”172時間”みたいな展開はイヤだよ、、でリモコンは何時でも切れる状態に、。
 
時折幻覚なのか”女性”が登場するがやり取りが不自然だし次のカットではもういない、、やっとの事で(二日がかり)で自分が座っていた助手席側のドアをこじ開け車外へ脱出、折れた右足に木の枝を副木してベルトで縛る。壊れていなかったラジオから辛うじてニュースが聞こえる、、”強奪事件発生、犯人は3人組で逃走中、銃器を持ち危険なので絶対に近寄らないように、、”、そこで又、記憶の断片が、、確かめる為に壊れたトランクへ回り開けるとそこにはバッグに詰められた現金が沢山ある、”ウン、こりゃ果たしてオレは強盗の仲間じゃないのか?”
 
後部座席に一人、車外に飛び出したようにもう一体死体があるって事は、、3人目がオレか??で状況は緊迫ムード、、ここまで30分が経過、生きている出演者は彼だけ、しかもセリフも自分で自分に悪態をつくだけなのでこりゃ字幕屋さんの出る幕はないぞ、、。そんな中、野犬が突然出て来る、以前自分でも犬を飼っていた頃を思い出し偶然見つけたビーフ・ジャーキーも分けっこする。苦心して川の流れを下りこの場から脱出すべく努力をするのだが、、気が付くと又、元の壊れた自動車事故現場へ戻っている。この辺はもう彼本人も見ている側も幻覚状態、どっちがどっちなのか理解出来ない設定だ。
 
結局事故現場から野犬を道連れに落ちたと思われる崖の上を目指して必死の”匍匐前進”両手と片足だけで険しい断崖を登りきる、、すると道端にもう一人倒れているじゃないか、それを見て彼の記憶もパズルがはまるようにスッキリだ、、、街中で彼女をベンチに座らせその場に辿り着こうとする最中、逃げる強盗3人組に鉢合わせをした”男”は無理やり人質として捕らえられていたのである。山中の狭い道を逃走中に助手席にいた彼がハンドルを無理矢理切ったので一人がその場に投げ出され、運転していたヤツは窓を突き破って前方へ、もう一人が遭えなく後部座席でそのまんま、、と言う事だったんだ。そして道端に倒れていた犯人の一人から携帯電話を取り上げ救急電話の一報、、かくしてレンジャーが救出に登場、彼は無事保護されてハッピー・エンド、、、連れ去られる時にレンジャーに”オレの犬も保護してくれよ”、、しかしもう何処にもその”愛犬”の姿はない、、、って事はこりゃ幻覚でお犬様が道案内をして助けてくれたって事か。で結局映画も”Wrecked”と言う事でシャレにもなりゃしない、。
 
セリフのある登場人物は”男”と彼女、、そして最後のレンジャー、、、そうそうワン君も結構セリフがあったがそれも我らがカイ君みたいじゃなくて”ワン”の連発、或いは単発だけ、、多分制作費は5桁のドルで済んだだろう。フィルム代が一番高かったかも知れない、、イヤ彼の出演料かな?参ったな、、見た事のない映画を期待して見るとこれだよ、、今夜は又、安心して堪能出来るクラシック映画に戻ろう。