”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

トリロジー(3部作)からなる傑作

通常は長編原作があってそれを映画化する場合などに“トリロジー”にするケースが多い。最初から3部作の制作を決めている場合は監督から脚本、配役、撮影、音楽、、その他が決っているので一挙に3本分を撮影し後は小出しに編集すれば3部作の一丁あがりだ。代表的なものは“ロード・オブ・ザ・リング”、、昔から読まれている“指輪物語“が原作だからストーリーは見る前から判っている。
 
“ゴッド・ファーザー”はやはりマリオ・プーゾの原作があり一作目が成功したのをきっかけに順に2部、3部と書き進んでいったようなものだ。監督も配役その他一作目の布陣で完成する事が出来たケース、“スター・ウォーズ”の場合は3部作じゃ終らないしこの場合は最初の一本が成功したので後付けでストーリーを遡っている。当然時間も経過したので配役も代えるしかなかった、。
 
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この映画は91年、29歳のジョディが新米FBI捜査官、クラリス役に抜擢され見事にオスカーを獲得、、この映画の続編、と言うか時代を戻るのだが、への出演は辞退、まあ正解だったかな。結局クラリス役はジュリアン・ムーアに行ったがちょっと雰囲気が違った、、。
 
 
 
 
 
 
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トーマス・ハリスの代表作ハンニバル・レクター博士シリーズは最初に“羊たちの沈黙”が大ヒット、ドーンとオスカーも獲ったので柳の下を目指して時代を遡り“レッド・ドラゴン”や“ハンニバル”を制作した。アンソニー・ホプキンズは適役で全シリーズに出演してはいるが肝心のクラリススターリングにジョディ・フォスターを迎える事が出来ず何とか監督にはリドリー・スコットなどを引っ張り出したものの“羊たちの沈黙”を超えることは出来なかった。
 
映画を“傑作”にするには原作を忠実に再現する事も必要だが活字だけでは表現し切れない視覚で強烈に訴えるプラスアルファの力がないとダメだ、、それが舞台設定であり、音楽であり、配役であり脚本やフィルムの編集、、それら全てについて指揮出来る監督の裁量って事に落ち着くのかも知れない。トーマス・ハリスの原作は最初、とても映像化は出来ないんではないだろうかと疑うくらいに際どい描写が続く、この辺の映像処理法も監督の裁量だし映画館で観客が仰け反って出て行ってしまうようじゃ何にもならない。
 
ジャンル的にはミステリーで犯罪捜査モノ、それに謎解きが加われば言う事なしだが又、性懲りも無くメシを放り出してTVの前で“羊たちの沈黙”を見てしまった。何回見てもストーリーが変わる訳じゃあるまいし、、でもやはりのっけから素晴らしい映画じゃないですか。この年代のオスカーは納得だな。
 
このトリロジー、最近ではスティーグ・ラーソンの“ミレニアム“シリーズ、(スウェーデン版3部作は完成)のハリウッド版がダニエル・クレイグルーニー・マーラで”ドラゴンタトウーの女“の続編が2作、ロブ・ロイ・スミス原作でロシアの保安警察を描いた長編6冊分がリドリー・スコット監督で制作されるらしい。
 
日本でもその昔、五味川順平原作の“人間の条件”が映画化され59年から61年にかけて公開された。こりゃもう3部作どころか全編6部構成だったっけ、、毎年全編をマラソン上映する企画があって銀座の丸の内松竹へ弁当持参で見に行った記憶があるぞ。何せ朝の9時頃映画館へ入り出て来るともう真っ暗だったっけ、“寅さん”や“釣りバカ”シリーズとは違って同じストーリーで最後まで描く訳だから途中見逃す訳にはいかない。仲代達也と新珠三千代が若かった。