ミステリーファンには見逃せない作品集、横山秀夫原作をTVドラマ化したものである。もう制作されてから大分時間が経過するのだが03年に書かれた同名の短編集を映像化したシリーズである。これまでおっさんは絶賛し古い作品にもかかわらず日本に住む娘に探してくれるように頼んだり知人の持つ膨大なDVDコレクションから拝借したりで楽しんで来た。
- 沈黙のアリバイ(『小説すばる』2001年9月号掲載)
- 第三の時効(『小説すばる』2002年2月号掲載)
- 囚人のジレンマ(『小説すばる』2002年4月号掲載)
- 密室の抜け穴(『小説すばる』2002年7月号掲載)
- ペルソナの微笑(『小説すばる』2002年9月号掲載)
- モノクロームの反転(『小説すばる』2002年11月号掲載)
と合計”第三の時効”に掲載されている挿話が6本あり夫々が2時間枠で映像化されこの肝心のこのタイトルになっている”第三の時効”だけがこれまでの必死の努力にもかかわらずどうしても入手出来ず見る事が出来なかったのだ。それが昨晩、家内が親しい友人から又もや沢山のDVDを借りて来た。探偵ものとかサスペンスが中心なのだがその中に目ぼしいものはないかと探していると思わず目に留まったタイトルがこれ、最初見てもピンと来ず、こりゃ以前に見たんじゃないかと確かめる為にDVDに入れると、、ジャジャジャーン、、これじゃないか、もう2年以上も探していた”第三の時効”だ~!!こっちも”時効”寸前で発見したぜ、、、嬉しいじゃありませんか。
今回の主役はこの二人、おっかなそうなで”ハードドボイルド”丸出しの段田安則と若い(この頃は)温情型刑事役の緒方直人である。
事件は15年前の人妻レイプ事件に端を発する。容疑者として手配されたのは寺内進、当の人妻は余貴美子、殺されたのはそのご亭主だ。
時効目前となり再調査をする為にこの彼女の自宅へ張り込みをする刑事たち、最初の”時効”が迫る、、しかし容疑者は1週間海外へ行っていた事が判り時効も一週間延長、刑事たちは必ずや容疑者が余貴美子扮する本間を訪ねるて来ると確信して一週間延長された後も張り込みを続ける。
その、、、、又、突然な事でこの二日ばかり看板を出してテナントを募集中なんですが、、”カモがネギ”背負ってきました、、続きはまた、、あとで。”ハイハイ、、いらっしゃいませ、、、”。
続きです、、。さっきの件、実は31号のテナント、これまで居住歴4年と管理人より古くから住んでいた”若い女性”なんですが契約途中で引っ越す事に、、思いもかけない出来事に途方に暮れていたのです。已む無く”賃貸募集中”の看板を火曜日に出したところでした、そしたらいきなり3件ばかり引き合いがあって今日、通り掛かりの男性が一人、それが大変気に入ってくれて夜に奥さんと一緒に再度見に来たいと言う事だったんです、、。結果ガキ(3歳くらい)と一緒に来て、最終的には”ガッツポーズ”です。看板を外さないと、、そんな訳で話が逸れちゃいました、。
その張り込みを延長したのは良いのだが容疑者もそれを知ってか一向に現れない、、やり切れない気持ちで張り込みを続ける刑事たち、、、この辺の展開が素晴らしい。これはハリウッドに売り込んで逆リメイクが出来るぞ、それ程に原作が良く出来ている。この鉄仮面のような段田安則の表情をはじめ演技陣が実に巧い。そんなでTVドラマとはゆえ2時間枠で劇場映画に匹敵するほどに堪能させられた一作である。途中邪魔が入ったのと契約設立がどうも重なりそうなのが嬉しくて最期はだいぶ端折ってしまった、、反省。