”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

リメイクは難しい、

名作“幸福の黄色いハンカチ”(77年)VS“イエロー・ハンカチーフ”(08年)、、制作発表された時から知っていたのだが見る機会がこれまで全くなかった。まあ比較するのはシツレイかと思い遠慮していたって事もあるのだが3月になってやっとこのウィリアム・ハート版を入手した。
 
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一般的には山田洋次監督のリメイクとされているのだが実際にはその77年のオリジナル版はピート・ハミルと言う作家が“Going Home”としてニューヨーク・ポスト誌へ寄稿したコラムが原作である。そのピート・ハミルは35年生まれの77歳、今も現役、NYで活躍中、奥さまは作家の青木冨貴子氏である。
 
話がややこしくなるがこの大ヒットしたドーンの歌う“幸せの黄色いリボン”は73年に発表された曲でピート・ハミルのコラムとは全く関係がない。しかし良く聞いてみると歌詞の内容は映画そっくりで主人公が塀の向こうへ行っていた期間が映画では7年、歌では3年とちょっと短いと言う違いがあるだけだ。実はこの“イエロー・リボン・カルチャー”と言うのは古くはジョン・ウェインの映画、49年のジョン・フォード巨匠による名作、“黄色いリボン”でも使われている。愛しい人が無事に帰還するようにとの願いを込めて黄色いハンカチなりリボンを身体に着ける事から来ている。更にそれがこの曲の大ヒットにより兵士が無事に帰還する事を願う家族なり恋人達が願いを込めて飾る事が一般的となって来た。
 
 さてこの映画のほうだが設定は全く同じ、高倉健さんがやった役をウィリアム・ハートが演じている、奥さんがマリア・ベロ、特別出演で桃井かおりも彼らが一晩泊まる事になるモーテルの女主人役でカメオ出演。北海道の大地をアメリカ南部に置き換えて最後はニューオリンズ郊外のミシシッピ河に面するボートハウスを目指してドライブを続けるロード・ムービーだ。
 
古いところから列記してみると;
七人の侍“が”荒野の7人“、、”羅生門”が“暴行”、、”用心棒”が”ラストマン・スタンディング”とこれ等は黒澤監督作品、そして“南極物語”がそのまま“南極物語”、更には“ハチ公物語”が“HACHI 約束の犬”と列挙にいとまがない、、これはアメリカでリメイクなりされたものだがこれだけ見てもドレもオリジナルを越えられなかったような気がする。