ある偶然と言うか突発的な事柄をきっかけにそれまでは全く面識のない男女が話をするようになり互いに過去を振り切って半年後に二人で決めた場所での再会を約束する、、古今東西、映画化するにはこんな想定は絶好の直球ど真ん中ストライクだ。
昭和の初期にこれを題材に爆発的ヒットを飛ばしたのが春樹&真知子の“君の名は”だ。舞台は戦中、空襲から逃げた見知らぬ二人が半年後の再会を約束して別れる、その再会場所が数寄屋橋。アチラ版では豪華客船でふとしたきっかけで知り合った二人、やはり後日の再会を約束して下船、その再会場所はエンパイア・ステイト・ビルディング。そしてその映画は“めぐり逢い”原題は夫々に違うのだが同じ題材で5,6回も制作されている。ケイリー・グラント&デボラ・カー、、或いはウォーレン・ビーティ&アネット・ベニング、、トム・ハンクス&メグ・ライアンと色とりどりだ。
もう一つの“直球ど真ん中ストライク“は両家を代表する若い男女、双方の古い風習や習慣から逃れ、図らずも知り合った相手は対立する一族の跡継ぎ、、これはもう”ロメオとジュリエット“を代表作として”ウェスト・サイド物語“まで正統派、現代劇ミュージカルと数多くの映画が制作されている。そりゃ何と言っても何百年も前にシェイクスピアが思い付いた想定だしところ変えりゃ今だって立派なストーリーが出来る。
流石にこの年になるとこの手の恋愛モノは見なくなったがそれ以前に最近はこんな正統派が少ないのではないだろうか、。とくに悲劇的な結末は今の若い世代にはあまり受け入れられないと聞いた事もある、。変化球を投げ損なって捕手の前でワンバウンド、それを後逸、それが後の壁に当たって捕手のミットへ上手く納まるって感じの映画は良くあるのだが、、。