”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

背番号は”42”

イメージ 1伝説のメージャー・リーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記映画”42”をやっと見る事が出来た。オーストラリアでは劇場公開もなく有線での配信がやっと、それも細々と、、此方が気にしていないと見落とすところだよ、やはり野球の映画は此処ではダメなのかな、、。まあ主流はラグビークリケット、それにやっとサッカーが市民権を得て来たが一般的には野球は全く見向きもされていない。
 
黒人初のプレイヤーとして当事はブルックリンに拠点を置いていたドジャースに所属、その背番号”42”は永久欠番だし(対象チームだけじゃなく野球界から)年に一度全選手が同じ42番を着けて試合を行うジャッキー・ロビンソン・デイと言うのがあるくらいにアメリカの野球界からはその功績を称えられている。時代は1947年なので還暦過ぎのおっさんでも実物は勿論、当事の野球界の事も知りはしないのだが、、。
 
映画は黒人リーグで活躍するジャッキーを発掘しドジャースに誘う球団幹部のリッキー(ハリソン・フォード)が球団方針を説明するところから始まる。黒人選手の持って生まれた俊敏な運動神経とその強靭なパワーが将来アメリカの野球界に旋風を巻き起こすと予測してジャッキーを加入させるのだが400人中黒人選手は彼一人、残り399人は全員白人と言う時代だ。トイレへ入るにも差別がありホテルだって当然のように”お断り”のサインがある。そんな時代、、僅か65年前の話なのだがそりゃもう眼を覆いたくなるような差別時代、”野球を愛する”と言う気持ちだけでチーム・メート、対戦相手全てを敵に回して孤独な戦いを強要するがそれでも良いか、、それに対してジャッキーは”ワタシの背中に番号を着けてください”、、”それの代価は根性です”と切り返す場面には胸が熱くなる。
 
ハリソン・フォードが目一杯の”老け役”で写真で見る限りホンモノのブランチ・リッキーにそっくりだしこの映画では良いところ取り、黒人選手にもプロの野球人としてメージャー・リーグへの道を開いた功績は文章では書き尽くせるものではないしジャッキー・ロビンソンもそのリッキーの恩義に球場での大活躍で答えて行く。
 
伝記映画はうん十年に渡るケースが多いし若作りから老け役までこなすのが普通だがこの映画は1947年前後に焦点を合わせているだけだ。余りにもジャッキーの活躍が有名なのでそれ程に広いスパンで物語を作らずとも集中して短期決戦した手法はなかなかのもの、、数多い野球を描いた映画でもこの企画だけは失敗する訳には行かないし映画の出来次第で伝説上の人物像まで見方が変わってしまったらそれこそ一大事だ。
 
キャッチに良く使われるように”感動で全米を沸かせた映画”、、、とは言えないかも知れないが手堅くセンター前に弾き返したクリーン・ヒットと表現したら良いだろうか、、本物の活躍を残した実写記録がもっとあればと悔やまれるがそりゃ無理かな、、テレビもビデオも中継だってなかった時代だもんな~、、。