”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

日本映画祭、最終日は”奇跡のリンゴ”(13年)

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これが今回ブリスベンで上映された日本映画の一覧です。初日は16日の”船を編む”、そして20日が最終日で”奇跡のリンゴ”、、、、。普段ヤレこの邦題は酷い、、担当者もっと考えろ、とか何とかしろっ、、と喚いているのだがこの場合は原題が日本語、、それに英語のタイトルを付けると言う全く逆の事となる、、そりゃ全然想定していなかった。其処でこりゃ多分”Miracle Apple”??かなと思ったらそうじゃなかった、、そりゃそうだ”ミラクル・アップル”じゃ完全にアップル社の宣伝になっちまう、、。それを”Fruits Of Faith”(信頼、信用、治癒と言う意味もある)として諸外国では上映されたそうな、、この英語題には祝杯だ。
 
毎年定期的に開催されるこの映画祭、今回もブリスベン、パース、シドニーと各地を回りオージーを始め日本の映画ファンならずとも心待ちにされている方々には大変喜んで貰っているそうな、。こうして映画館の大画面で日本映画を見れる機会はそう多くない、アメリカ系の配給会社に後押しされて独立系なりの映画館で上映されれば別なのだが、、。以前は常設された映画館があり其処では諸外国の秀作や話題作を見る事も出来たのだがオーストラリアでもすっかりシネコンに押されてしまい採算は度外視して館主の好みで上映するなんて事は残念ながらなくなってしまった。
 
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昨晩の最終日、どんな内容なのかも全く知らず映画館へ駆けつけた、、。日本国内では6月に劇場公開され同時期公開された映画のなかでは満足度ランキング一位を獲得したそうな、、原作は、石川拓治 『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』より(幻冬舎刊)。
 
監督は中村義洋、、主演は;
木村秋則阿部サダヲ 木村美栄子:菅野美穂
青森のリンゴ農家、木村秋則氏の実話を基にしたリンゴ無農薬栽培のお話である。
 
1970年代青森県中津軽郡岩木町(現・弘前市)。三上秋則はリンゴ農家・木村家の一人娘・美栄子と結婚して木村家に婿養子入り、サラリーマンを辞め、美栄子と共にリンゴ栽培にいそしんでいたが、ある日、美栄子の体に異変が生じる。美栄子の体は年に十数回もリンゴの樹に散布する農薬に蝕まれていたのだ。
秋則は美栄子のために無農薬によるリンゴ栽培を決意するが、それは当時、絶対に不可能な栽培方法と言われていた。秋則は美栄子の父・征治の支援を受けて無農薬栽培に挑戦するが、案の定、何度も失敗を重ね、借金ばかりが膨らんでいく。次第に周囲の農家からも孤立していき、妻や娘たちにも苦労をかけてしまう。
10年の歳月がたっても成果が実ることはなく、窮地に追い込まれた秋則はついに自殺を決意、1人で岩木山に向かう。すると、彼はそこで実がたわわになった自生した1本のリンゴの樹を発見、これが奇跡の大逆転の糸口となる。 (Wikiより転載)
 
と言うお話なのだが映画館で見た映画はその評価は確実に20%は上回ると断言出来るだろう。個人的には主役を演じた阿部サダヲは”舞妓は~あああああん”とか言う映画の荒唐無稽さに辟易させられそれっきり、、だったのだがこの映画では見直した、、それに相手役のお嬢さん、、アップになるある瞬間が妙に夏目雅子を思い出させるな~、、と思ってたら彼女が菅野美穂とか、、、それって”半沢直樹”、、堺雅人の奥方??っで家内に”ナにさ、、アンタは映画ファンじゃなかったの??”と叱られる始末、お粗末でした。
 
映画は画面の下部に英語の字幕が入るのだがこれが見事な出来、、津軽弁のセリフの妙と可笑しさまでは流石に表現出来ないにしろ又、素人のおっさんが評価するなどおこがましいがその微妙な会話やストーリーは確実に英語圏の人に伝わると確信した。戸田先生もうかうかしてられないぞ、、、イヤ、大丈夫か?日本語を英語に変換するのは逆だもんな、、。
 
青森、、津軽、何処へは行った事もないのだがその場にいるように感じさせる四季を通じた撮影手法、、それに邦画としては珍しいアップ画像の多様と綺麗さ、、それに久世譲の音楽、、全て文句なしの上出来、国内で満足度トップを確保したと言うのも頷ける。暗い画像やCG、アクション主体の最近の映画ばかり見ているとこの映画の新鮮さにはハッとさせられるし益々評価は高くなる、、やはり映画はこうじゃなきゃいかんぞよ。