オーストラリアでもこの半世紀に渡って続くジェームズ・ボンド・シリーズのファンは多い。今でも映画で使用されたボンド・カー(DB5)の展示会がメルボルンで開かれていて予約をしてから行かないと入場制限があるとかの盛況らしい。還暦世代だけではなくダニエル・クレイグのボンドを見て好きになったと言う若いファンも多く収益もダニエル・ボンドになってからは急上昇らしい。
このYahooの知恵袋でも”歴代のボンド映画のベストは?”と言う質問も多いのだが余りランキングは気にしないオージーでもこの話題は興味があるそうだ、、62年からこれまでに23本が制作され24-25本目も現在企画の段階とか、、あと2本はダニエル・クレイグの契約があるので彼の冷酷無比なボンドが見れるって事になる。
64年に公開された”ゴールドフィンガー”、、イアン・フレミングの原作も良かったしその荒唐無稽さは後年のロジャー・ムーア版よりもずっと”真実味”があってアクション映画としても上出来。主演のショーン・コネリーの魅力も満開だった。IMDbでの評価も7.8と高得点。
それとこの”ロシアより愛を込めて”(64年)、”ゴールドフィンガー”の前作なのだがプロットと良い本来のスパイである007の活躍振りと良いイスタンブールの背景、それにボンドのセリフ、、すなわち脚本、個性ある演技陣、、マット・モンローが歌う主題歌に効果音と総合点は大変に高い、、ボンド・ガールを演じたダニエラ・ビアンキの魅力も充分だったし、、、もう文句ナシのアクション大作。IMDbでも7.5ともう”ゴールドフィンガー”とは甲乙がつけられない。半世紀が経過してもこの評価、、これはもうおっさん世代だけからの支持ではないような気がする。
このショーン・コネリー時代を経てジョージ・レーゼンビー、、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナンと続いていくのだが、、どれも”良き映画”としての評価を受ける事はなかった、、。それが制作者のアルバート・ブロッコリがこれじゃいかんと一念発起して全くそれまでのボンド像を脱皮し”ハードアクション”映画としてハイオクタンを注入して制作したのが”カジノ・ロワイヤル”(06年)、監督にマーティン・キャンベルを招いて撮ったのだがこれが見事に大当たり。当初、”金髪のボンド?”と言われもしたが冷酷無比なボンドがぴったりだった。そして昨年の”スカイフォール”(12年)、これも大当たりで評価も抜群、興行成績も歴代一位。
50周年を記念して制作されロンドン・オリンピックにもダニエル・ボンドが登場するなど大掛かりな演出、それも出来が良いので出来た事なのだが、、自信を持って公開された歴代ナンバー・ツーの007が”スカイ・フォール”、、IMDbの評価も7.8と”ゴールドフィンガー”と同じだった。兎に角、過去23本を見ているファンには申し分のない出来でオヤジさんの後を継いで制作者になったお嬢さんのバーバラ・ブロッコリにしても会心の出来だったろう、、。
そしてこちらが歴代ボンド・シリーズ全23本中、最高の評価を受けている”カジノ・ロヤイワル”、、評価は全シリーズ最高得点の7.9である。
こうして見ると早い話、最初と最後の2本が007の最高傑作と言う評価になる。これからも続くシリーズだがこれら4本を超える映画は果たして出来るのか??
取り合えず来年後半には24作目の詳細が判明しているだろう、それを楽しみに待とうかな。もうイアン・フレミングが書いた原作は全部映画化されているのでキャラクターを生かした独自のストーリー展開が必要だ。イアン・フレミングを継承してジェフリー・ディーヴァーやら色々な作家が007に挑戦しているがどれも残念ながら継続するには至らなかった、、。