”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

アンジョリーナ監督の新作

昨年末からアンジーがオーストラリア、ゴールドコーストに滞在中だ。ブラッド・ピットも駆けつけ子供達と観光地へ出かけたり一家団欒の生活をしているらしい。てっきり映画に出演するものだとばかり思っていたのだが昨晩その詳細が明らかに、、。
 
イメージ 1これが解禁されたポスターなんだがタイトルは”アンブロークン”(Unbroken、壊れない)と言う。此処から内心かなり複雑な心境になるのだが、、。映画は実話でルーイ・ザンペリーニのお話らしい。
 
1917年にイタリア系移民家族の元に生まれる、現在も存命で何と97歳だ。36年のアメリカ、オリンピックの長距離(5000m)ランナーで当時最年少ランナー、19歳にして出場したとある。36年にドイツで開催されたオリンピックでは8位と言う結果だったらしいが故郷へ帰りその後数々の記録を樹立した。
 
41年には空軍に入隊、南太平洋を中心に爆撃機に乗っていたのだがマーシャル島沖で墜落、乗員3名と海洋を筏に乗って漂流、その期間が47日にも及んだらしい。
 
さて、此処まではオリンピック長距離ランナーが戦争に引き込まれ過酷な運命を強いられたと言う事実なのだが、、これからが大変だ。
 
漂流しやっとの思いでたどり着いた孤島、そこは日本軍の管理下であった。その場で日本軍の捕虜となりロクに体力の回復も出来ずに幽閉されてしまう。その指揮官がワタナベ・マツヒロと言う厳格なおサディスティックな指揮官だったらしい。映画”戦場に掛ける橋”のサイトウ大佐、先の”レイルウェイ・マン”の永瀬隆、、彼等が”天使”に見える程に”危険人物”だったらしい。戦後アメリカ軍占領下、マッカーサー元帥に戦中その非人道的行動により”最も断罪されるべき戦争犯罪人、40名”のなかにもリストアップされていたそうだ。
 
恐らく映画はこのあたりに焦点が当てられルーイ・ザンベリーニの不屈の精神が描かれるものと想像されるのだが、、、このワタナベの配役は発表されていない。後日談としてその後、ザンベリーニは戦死、行方不明として処理されていたのだが戦後アメリカへ帰国、ヒーローして迎えられた。
 
81歳にして長野冬季オリンピックではトーチ・リレーに参加沿道を走った。その日本滞在中何度となく先のワタナベの消息を訪ね会える機会を探ったそうだが叶わなかったとウィキには記載されているのだが、、。どうもこの記述はオーストラリア人が書いているようで表現にちょっと首を傾げる箇所がある。
 
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折角アンジョリーナが長期滞在でブリスベン近郊にいるのだがこの映画はな~、、出来れば監督なんかしないでこうした華やかな笑顔でスクリーンを飾って欲しい。
 
日本の近隣諸国のお国と違って遠く離れたオーストラリアでも戦中大量の捕虜を出しているしダーウィンだって実際に日本軍の空爆があった。日本に根を持ってないとは言い切れない現実だし”ANZAC DAY”(戦没者記念)の休日には街中はもとより酒場には近寄らないようにしている。
 
それじゃなくてもオーストラリアは白豪主義が長きに渡って継承され73年になってやっと移民法の改訂、そして75年に人種差別禁止法が成立されたばかりだ。
 
別にこうして25年近くも生活して来て差別を感じたり嫌な局面に対処した経験はないのだが敢えて刺激をする事もなかろう、、っでこの映画も自宅で見れれば良いかな?