”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”Ronin"(98年)

この99年に制作されたジョン・フランケンハイマー監督によるアクション映画は原題が”Ronin"、それをそのままカタカナや漢字にせず邦題も英語表記で”Ronin"とした珍しいケースだ。
 
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この頃はロバート・デ・ニーロもちょい役じゃなく堂々と主演を張っていたんだが、、でももう55歳の頃だったか、、。共演陣が素晴らしい、、ジャン・レノ(パリが舞台じゃ欠かせない)が調達専門、にショーン・ビーン(武器調達)、ステラン・スカースガードが電子工学の専門家それに紅一点でナターシャ・マケルホン。
 
何と言っても監督があの社会派、ジョン・フランケンハイマー(残念な事に4年後に没)で好きな監督の一人、初期の作品は大分見ている。バート・ランカスターにオスカーをもたらした”終身刑”(62年)や”5月の7日間”(64年)と言うポリティカルクライシスを描いた作品、更には三船敏郎を引っ張りだした”グラン・プリ”(66年)、70年代には”フレンチ・コネクションII"も撮っている。
 
90年以降はすっかりテレビ界へ乗り替えてしまいこの”Ronin"は久々の劇場用映画だった記憶がある。実はアメリカ生まれだが最初は俳優としてデビュー、最初の007作品”Dr.No"でジェームス・ボンド役はどうかと打診があったそうな、。
 
映画の舞台はパリ、、ある酒場に三々五々フリーランスの傭兵らしきプロが集まってくる。全員がナターシャの指示でとある倉庫へ、其処で毎週5000ドルの報酬、さらにボーナスの提示があり要望は一つ、あるアタッシュケース強奪を計画して欲しいとの依頼だ。プロの運転士の要望で高速車を手配、更に武器の調達を、、。闇業者と武器の受け渡しをセーヌ河の辺でするが危うく全部を奪われそうになる。高速でパリの市内を走り抜ける場面は圧巻だ、、。
 
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これが紅一点の謎の女役、ナターシャ・マケルホン。如何にもパリジェンヌみたいな雰囲気だが実は69年イギリス生まれ、って事はこの映画に出ていたのはアラサーにリーチしている頃か、、。
 
この映画の印象が一番記憶にあるのだがその後は鳴かず飛ばず、、”ローレル・キャニオン”(02年)や”レイディ・イン・ラベンダー”(04年)があったが余り見かけなくなってしまった。
 
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この人、小雪はスタイルもそうだが何時も似ているな、と思っている。鼻から下顎にかけてのラインかな、、、”ラスト・サムライ”の時などはあの清楚さも含めて驚く程に画面に見入ったものだ。決してファンと言うわけではないのだが何か映画を見るとそこに出ているって言う感じ。
 
”三丁目”にもいたし”探偵とバー”にもいたし、、テレビ・ドラマの出演も多いらしいがそれではお目にかかった事はない。
 
 
その”Ronin"たち、、スーツケースを運搬中の車列を襲って強奪する計画を立て実行する事に、、此処までその”中身”は一体何なのか、、サム(ロバート・デ・ニーロ)がしつこく聞くがそれには返答がない、、結局見ている方も最後まで中身は何か判らない。ただアイリッシュとロシア人が双方で奪おうとしている事は確かなんだが、、。
 
そこから一転二転、、どうも計画が漏れていて仲間うちにスパイがいるかも知れないと疑心暗鬼になるサム、更には高速運転での強奪、、と一挙にクライマックスへ、と最後まで息をつかせぬ展開が、。ジャン・レノもやはりフランスが舞台だと引き立つ、良い役取りでサムの相棒として大活躍だ。最後は意外な展開だがサムの正体が判明、、っで解決、決して上手く収まった訳じゃないのだが、、じゃみんなアバヨとなる。
 
劇中サムの師匠みたいなおっさん、、マイケル・ローンスデールが日本の城や武士の模型を使って”武士道”精神の講釈を垂れる、、この場面はジョン・フランケンハイマー監督の思い入れがしっかりと表現されていたような、、西洋の監督さんが皆こんな感性の持ち主なら良いのだが、、。