”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

"47 Ronin"(13年)

イメージ 1
この映画、元ネタに敬意を表したのか外国では受け入れて貰えなかったのか世界に先駆けて日本で劇場公開がスタートした。
 
そして13年1月にはオーストラリアでも劇場公開、となったのであるが、、早々と7ヶ月後にはFOXで有料配信、そして11月には無料配信されてしまった。
 
これはどうにも”見てはいけない映画を見てしまったと”言うのがその第一印象である。2年前に制作発表された時からキアヌ・リーブスが”ラスト・サムライ”に挑戦、しかも”忠臣蔵”をやると言うので何回かブログにも書いたのだが予告編が完成しそれを見たり、各地で公開された時の評判を見聞きするとこりゃとても見れたもんじゃあるまい、、とずっと無視していた。それを昨晩丁度時間が空いたので録画されていた118分を見てしまった、、やはり実地検証してもダメなものはダメじゃないか、、。
 
これに比べりゃトムちん主演の”ラスト・サムライ”は”名作”だよ。まずのっけから日本、そして忠実に47士の浪人たちの伝説が元になっているとナレーションや映像で断っておきながら、、時の徳川将軍は純然たる中国の軍師風、、それに周りの軍勢が着けている鎧兜が100%中国風の戦衣装だ、、。アドベンチャーロマンに徹するのであれば別に日本に拘らず何処か架空の世界にでもすりゃ良いのに、、セリフにはちゃんと赤穂と入っているし浅野、大石、吉良、、その他は全部忠臣蔵そのものである。ファンタジー・サムライものとしてもこの背景や風習、こりゃ絶対に日本じゃないだろう、、。
 
これが60-70年代にハリウッド資本で制作された映画ならいざ知らず、21世紀になってこれはちょっと考えも及ばない、、しかもセリフが英語、出演者を慮ってか”中学生の英会話”みたいな脚本にはもう開いた口が塞がらない。日本の芸者を描いた”サユリ”は主演にチャイニーズを持って来てやはり全編英語のセリフだった、アレも随分ひどいな~、、と思ったがこれはその数倍ひどい、見ていて途中から画像や話に入るどころかもう情けなくなってしまった。
 
これはもう監督だけの感性ではなくて企画の段階からブレまくっていたのだろう、、と言う事はプロデューサー諸氏が寄ってたかってこんな映画にしたと言うことか、、恐らく主演したキアヌは別として真田広之菊池凛子柴咲コウ浅野忠信などは出演した事を後悔しているんだろうな、、勿論演じている諸氏もこんな衣装やセリフは可笑しいよな、、と思ってはいてもそんな口出しは出来る訳がない。
 
先の”ラスト・サムライ”だっておいおい、、待てよ、と言いたくなる場面が沢山あったし”サユリ”だって非常に不自然な描写が満載されていた、、でもこれはもっと先を行く。それは断言出来るぞ、、この配役でゲーム感覚で作られた映画、日本でヒットしなきゃそりゃ世界中何処へ持って行ってもダメでしょう、、映画とはそもそもファンタジーなんだからそんなに目くじらを立てるものでもあるまいしナニがあっても驚かない。でもねぇ、、余りにも非現実的な設定じゃそれを見せられる観客は序々に白けて行くって事も熟練の制作者や監督は一番知っているハズじゃないのか??案の定制作費に100億円から計上し劇場公開ではその三分の一も回収出来なかったとか、そりゃ慌てて有料配信でも何でもやりたくなるだろう。
 
でも待てよ、制作者がその持てる資金力で有無を言わさず制作したと言うのでない限り何処か金融機関から100億円からの制作資金を調達している筈だ、その時点で良く金融機関の審査を通ったな~??こりゃもう企画書の段階で成功するか否か判断が可能であったのではなかろうか??その分、日本では知名度の高い日本人を配役し日本では必ずや成功させて見せますよって事の次第だったんだろうがそれを見越せなかった金融機関の大失敗だろう。今頃、その担当者は北京支店へでも更迭さ、、。
 
ああ後味が悪い、、折角久し振りに見た映画だって言うのに、。
 
 
 
 
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。