”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

詐欺の世界を描いた秀作二本

此方オリジナルは2000年にアルゼンチンで制作され公開当時、各地の映画賞を獲得し評論家諸氏からも高い評価を得た映画である。原題は”Nine Queens"その邦題が”華麗なる詐欺師たち”、、誠に残念な事に日本では劇場公開はスルー、それに公開から大分年月を経てやっとDVD化された。スペイン語に字幕を付けるのが大変だったとしても映画ファンとしては情けない、、ナンでこんな秀作をもっと早く公開してくれなかったのか??
 
イメージ 1もっとも配役陣は日本では馴染みのない人ばかりだし配給元だってそんな収益の見込めないアルゼンチン映画を日本へ持って来る勇気もないので躊躇したとしても無理はない。ジャンルからいけばこんな犯罪モノには目がないのでFOXで配信されてすぐに英語字幕版をアマゾンでネット購入したものだ。
 
そしてこのク○暑い土曜日の昼下がり、何気なくFOXの映画チャンネルをひねっていたら、、”Criminal"(クリミナル)と言うタイトルの映画が放映されると表示されている。ちょっと大筋を読んだら何となく”Nine Queens"に似ているような気がする、、其処で時間を待って見始めると、、そりゃ設定がアメリカに置き換わっているが全く、そっくり、100%同じ脚本の完全なるリメイクである事に気がついた。
 
主演はジョン・ライリーに代わっているが何とプロデューサーとして名前を連ねているのはジョージ・クルーニーソーダーバーグ監督だ。制作年度は04年なので日本で”華麗なる詐欺師たち”のDVDが出される寸前に既にアメリカでは同じ題材がりメイクされていたって事になる。しかもこれ又、残念ながら日本では劇場スルー、、翌年になってやっとDVD化された。やはりどんなに”おもしろい”作品でもジョン・ライリーが主演じゃ観客動員は難しいのか??
 
 
 
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アルゼンチンのオリジナル版では最後の大仕事の対象になるのはマニア垂涎の存在である”クイーンの切手”(タイトルそのもの)だったのだが此方のアメリカ版。リメイクでは造幣局が印刷したボンドの写し、これがコレクターの間ではとてもつない評価でこの映画では7500万円の価値があると言われている。
 
映画の出だしは若いロドリゴディエゴ・ルナ)がカジノでつり銭詐欺を演じる所から始まる。ギャンブルテーブルに着きウェイトレスにコーラを頼む、その支払いに50ドル札をだすのだがつり銭を出すのにモタモタする隙を狙って反対側のポケットから小銭を出し、、”ああ、此処に小銭があったよ”、これで払うからさっき出した100ドル札を返してよ、、と言う寸詐欺である。
 
それを影から見ていたリチャード(ジョン・ライリー)が”オレが逮捕する”と申し出て手錠を掛け、外へ連れ出すのだがこの時点では二人にはナンの接点もない。リチャードも同じ詐欺稼業で生計を立てている雰囲気、、監視カメラの届かない場所へ出てから警察官ではない事を白状しそこでロドリゴに今日一日付き合えと申し出る、二人は今日一日はパートナーとして詐欺稼業をすべくロスアンジェルスの街へ繰り出して行く事になる。途中、警備の厳しいマンションで”オレオレ詐欺”を演じたり、オフィスビルではエレベーターを使った急ぎ詐欺をしたりと双方その”技”を見せながらカモを求めて終日街中を彷徨う、、。
 
とまあそんな犯罪映画なのだが此処まで先のオリジナル映画とは全く同じ設定だし寸劇も同じ手口。でもジョン・ライリーや新人のディエゴも良いのだがやはり配役は断然アルゼンチン版の方が良かった。全く同じ設定で舞台をアメリカに置き換えただけなのだがさてどうしてか??やはり配役陣の魅力って事になるのか??
 
そんな半日を過ごしていた二人にリチャードの妹、ヴァレリー(マギー・ギレンハール)から電話がかかって来てからいよいよ大きな山を迎える事になる。ヴァレリーが勤める市内のホテル、やはり詐欺仲間らしいのだが急に容態が悪くなり救急車の要請をする事に、その前にその本人がどうしてもリチャードに会いたいと言っているとか、、慌てて駆け付けるリチャードとロドリゴの二人組なのだが、、そこから一挙に大きな詐欺の山、、そして大ドンデン返しに向かって進んで行く、ともう一時も目を逸らしておれない状況となって行くのであります、、。
 
この映画はミステリーファンには是非お勧めしたい一作だ、、やはりオリジナルが先ですが、。
 
 
 
 
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