”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ローレンス・ブロック VS ロバートB・パーカーの原作

原作者対決。うん、、こりゃ以前にも記事にした記憶があるのだが昨晩再見した映画二本の原作者、ローレンス・ブロックロバートB・パーカーが描くところの主人公、元ニューヨークの刑事だった私立探偵のマット・スカダー、一方は元ロス・アンジェルスの刑事で今はボストン近郊の”パラダイス”と言う小さな田舎町の警察所長のジェッシー・ストーンで比較してみたい。

イメージ 1 
 
この二人の作者、ローレンスは38年生まれ、ロバートは32年生まれ、NYバッファロー市とマサチューセッツ州スプリングフィールド市とかなり近い場所に生まれている。その辺りが後年の筆者活動に大きな影響を与えているのではないかと勝手に解釈しているのだが、。これまでに出版された作品を追ってみるとローレンスはマット・スカダーの活躍の場をニューヨーク市内に置き、ロバートはボストン近郊の”パラダイス”(架空の街)と言う田舎町にジェッシー・ストーンを置いている。
 

イメージ 2
無論この二人はこの主人公だけではなく別のキャラクターを主演に多くの”クライム・ノベル”を書いている。もうかれこれ30年以上に渡り双方の翻訳モノを読み漁り、今もハードカバーや文庫本が棚から溢れんばかりだ。映画化もされているのだが昨晩、ついこの間10月に劇場観戦した”獣たちの墓”(翻訳時の邦題)FOXさんが有料配信すると言うので又、5.50ドルを払って本当に2014年イチオシの映画としてブログに書いた事に間違いがないかテレビの画面で検証してみた。同時にジェッシー・ストーンのシリーズで11年に映画化された”Innocents Lost"(失われた潔白)も比較する事に。
 


イメージ 3映画でマット・スカダーを演じたのはリーアム・ニーソン、この映画ではそんな強いリーアムは描かれていない。むしろアル中だった過去を引きずりひたすら依頼人から受けた事件の解決に向けて地味に孤軍奮闘する。その依頼人にしても麻薬取引を生業としている要するに犯罪者だ。プロットは完全に原作通りなのだが脚本がすこぶる良く、やはり昨年度イチオシにしただけの映画だった。
 
そしてトム・セレックが主役のジェッシー・ストーンを演じる”Innocents Lost"、、実はこのシリーズも何回か見ているのだが全8作が05年から継続的に映画化されていてこれはトップにランキングされる内容だ。素晴らしく印象的な音楽、撮影(カメラ・ワーク)、脚本とすべてが揃った映画になっている。

しかもレジーと言う愛犬(ゴールデン・リトリーバー)が”渾身の演技”、すっかり主役を食うような感じでこれにはアドベンテージ・ポイントを進呈出来る。このレジー、以前の逸話で岩場に捨て置かれた死体、その飼い主の元を離れずじっと佇んでいたワンコだ。それをジェッシーが引き取り(ロスからボストンへ引っ越した時にはイメージ 4ブーマーと言うワンコがいたのだが病死してしまう。この経緯はシリーズ1に登場)面倒を見ているのだがこのレジーはこの飼い主が死んだ時のトラウマなのか実に悲しそうな顔をしてジェッシーを見上げる。それに完全に心を許して戯れている訳ではなさそうだ、、ジェッシーは毎晩お酒に頼るし別れた妻とは今だに未練がましく完全に吹っ切れていない、、そんな心の傷を互いに支えあっているような、、この雰囲気がハードボイルドとは又、違う味わいを全編に撒き散らしているのだ、、。

イメージ 5
こうしてこの2本を続けて鑑賞して見るとこりゃもう甲乙つけがたい。主人公のキャラクターは世代も近いし重い過去を背負っていると言う共通した境遇それに警察官出身でアルコール依存度が高く、離婚を経て今は家庭もなく双方アメリカ東部の保守的な街を舞台に孤独な生き様だ。確かに幸せな家庭で奥さんや子供囲まれてちゃクライム・ノベルとしては”コメディ風”になってしまい肝心の”ハード・ボイルド”な設定が”スクランブル・エッグ”になっちまいそうだ、、。

イメージ 6
 
兎も角、この原作を忠実に映像化した作品二本、原作を楽しみそして今度は映画化を楽しめる、こんなのが大好きで苦節50年、、映画を見続けてきたと言っても過言ではないだろう。


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほん映画村」に参加しています:もし気が向いたらクリックお願いします♪。