”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”予期せぬ出来事”(63年)

この映画は原題が”The VIPs"、、公開時に見て初めてVIPと言う略語の意味を知った。それが邦題になるとこりゃ完全に予期せぬタイトル、、”予期せぬ出来事”になっていた。ニューヨークへ向かう航空機の出発を待つロンドン空港、霧で空港に足止めを食ったVIP達が夫々抱える問題に遭遇すると言う群像劇になっている。

原作を書いたのはテレンス・ラティガンだが今で言えばこれは暴露モノ、彼の親友とも言えるヴィヴィアン・リーがローレンス・オリビエを放り出してピーター・フィンチの元へ去る場面を映画化しそれをエリザベス・テイラー、、去られるご主人にリチャード・バートン、、そして駆けつけるお相手がルイ・ジュールダンって事になっている。更には映画ではオーソン・ウェルズ若い女優、エルサ・マルティネリを愛人が如く扱っているのだがコレにもモデルが、、イタリアの有名なプロデューサーだったか監督だったかで公開当時、この映画での状況(税金対策の為にアメリカへ渡る)が事実だったのでは、、と噂された。

他の配役はオーストラリア人でトラクターなどの販売で財をなし更なる飛躍をする為に資金繰りを兼ねてアメリカへ行く予定のロッド・テイラー、、そして彼に仄かな恋心を抱くマギー・スミス、公爵夫人を演じるマーガレット・ラザフォード(この映画でオスカー、助演女優賞受賞)、と豪華なものである。

まあ映画はエリザベス・テイラーリチャード・バートンに焦点が合っていて彼等二人の映画と言えない事もないのだが、、何せこの63年に共演してから連続して5本を撮っているしその二人が共演した映画はそりゃもう天文学的数字で収益をあげている。何処かの演技力ないカッポレと違い、彼らはやはり本格派、そりゃゴシップが先行したきらいはあるのだがリチャード・バートンにしてもイギリス演劇界きっての名優だし舞台から映画とその活躍振りは有名だった。

その天下の美女、エリザベス・テイラーとは結婚、離婚と二度も繰り返しその後も二度再婚、アル中も経験し84年にはジュネーブの自宅で僅か58歳の生涯を終えてしまった、、13人兄弟の12番目だったらしいが16になる頃にはもう働いていたそうだがナンとも壮絶な人生だった。

この映画ではエリザベス・テイラーが31歳、リチャード・バートンが38歳と一番輝いていた時期ではなかったか、しかし彼女は79歳の生涯に7回の結婚、彼の方は負けじと4回、凄いものだ。ちょいと酔った時とか何かの拍子に双方別人の名前を呼んだりしないのかな??寝言に違う名前を言ったり、要介護になった時は困るぜ、、← コレは自分に言い聞かせているのです。

イメージ 1古い映画を毎回見る都度に新発見があるものだが、今回はロッド・テイラーの役柄、、昔、見たときは彼の設定がオーストラリア人とは知らなかった。今回見て、成程自分でも”オレの発音はヘンかな”、、と秘書のマギー・スミスに聞くセリフがあるし実際彼の発音がオージー訛りだよ、、普通なら”サンキュー”というところを古いオーストラリアの田舎の習慣で”ター”と応えるシーンがあった。

マギー・スミスもこの頃はキリリとしていたし如何にも有能な秘書ぶりでとても好感が持てる。もう見回すとこの人と80歳になったエルザ・マルティネリっきゃ生きてない、、。

ダメだ、又、寿命の事を思い出しちまったよ、、。

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