劇場公開されて20年、最初の数回は何が何だか良く理解出来なかった、、2回くらい見てからやっと”な~るほど”となったのだが昨晩公開20年を記念して再見。
まずこのタイトルになった”The Usual Suspects"、(”毎度の容疑者たち”)これはブライアン・シンガー監督が名作”カサブランカ”に影響を受けた事は有名な話でラスト・シーンでキャプテン・ルノーがリックに向けて言うセリフがそのまま原題となっている。
映画の手法としてはアガサ・クリスティの”アクロイド殺し”のスタイルをそのまま継承しているそうだがこれは真犯人が真相を語ると言う手口でそう言われれば確かにそうかも知れない、。配役はこの”毎度の容疑者”5人、
元汚職刑事のキートン(ガブリエル・バーン)、強盗犯のマクナマスとフェンスター(スティーブン・ボールドウィンとベニチオ・デル・トロ)、爆弾犯のホックニー(ケヴィン・ポラック)そして詐欺師のヴァーバル(ケヴィン・スペイシー)の面々だ。
映画はいきなり昨晩起こった事件の渦中へ、、サンペドロ港に停泊している密輸船、何やら死闘が繰り広げられ一人二人と殺されていく、そして船も爆発を起こし盛大に炎上、いきなりクライマックス君の登場で見ている観客は何がなんだが判らない、、、。
そして翌日、港湾警察にしょっ引かれて来たのは生き残りのヴァーバル、そして近くの病院には全身やけどを負ったおっさんが一人、息も絶え絶えにベッドで治療中だ。颯爽と登場するのは税関の捜査官、エージェント・クイヤン(チャズ・バルミンテリ)、障害者のヴァーバルを相手に供述書を作成するのだが、、、。
そのヴァーバルの供述、それは6週間前のニューヨークに話が戻る、、、各自が関与した事件の容疑者として一堂に集められたのがこの5人、それをきっかけに5人で悪事を働く事になり汚職警官が絡んだ宝石強盗を計画、まんまと強奪に成功する。更に今度はカリフォルニアのレッドフットの仲介で違う宝石強盗を実行するのだが今度は盗んだハズの宝石はなくて麻薬が詰まったケースを強奪してしまう。こりゃ話が違うぜ、、とレッドフットに詰め寄る5人、、そしてクイヤンに促されるように次に起こった事件の説明を続けるヴァーバル、、。
映画は前日に起きた殺戮事件を軸にしてヴァーバルが語る6週間前からの彼らの行動や事件、それに今度は日本人弁護士、コバヤシの登場とその役割やコバヤシの雇い主でもある伝説の殺人鬼、カイザー・ソゼの生い立ち、そしてその後の彼と誰も知らない正体、が順にクイヤンに促されるままに語られていく。
この映画、制作費の予算はたったの6億円、しかも撮影に要した日数は僅か35日で終了したそうな、、そしてカンヌの映画祭で上映されたのを皮切りにアメリカ、そして各国へ、、その配給時の収益だけで25億円を稼ぎ出している。制作費に対して4倍からの収益があれば大成功と言われる映画業界でこの数字は誠にご立派だ。こんな映画はおっさん好み、そんな大金をかけなくても秀作は出来ると言う証明である。
そして肝心なこの映画の評価だが、、、IMDbでは8.6の高得点、ケヴィン・スペーシーはこれでオスカーの助演男優賞を獲得、クリストファー・マッコリーが脚本賞も獲得している。そしてトップ100の集計では堂々24位にランキングされる秀作である。これは何回見ても素晴らしい、、まだ良く判ってない部分もあるにはあるのだが、、あの結末は”あっと驚く、為五郎”度☆☆☆☆、、ではないだろうか?
ハリウッドさん、、こんな映画をもっと沢山作ってくださいな、、。
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