”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”アイ・イン・ザ・スカイ”(15年)

原題は”Eye In The Sky"、、、まあ原題自体がイマイチなので邦題が”アイ・イン・ザ・スカイ”でも無理はないのだがこんな冴えない原題の時こそ素晴らしく独創的な邦題を付けられないものか?

イメージ 1要するに”大空に浮かぶ眼”っちゅうことだが最新鋭のドローン爆撃機を使ったテロ撲滅作戦、ナンとかならんかな?

テロを相手にした映画はアメリカ主導だと”ゼロ・ダーク・サーティ”や麻薬組織撲滅を描いた”ボーダーライン”と言う秀作もあるがこの映画はほぼそのレベル、ジイも歩けば棒に当たる、、と言うか掘り出し物の出来だった。

主演はヘレン・ミレン、そして今年1月に僅か69歳で亡くなってしまったアラン・リックマンの遺作でもある。

オーストラリアでは3月に劇場公開、でもあっと言う間に終了してしまい7月にはFOXで有料配信、日本ではどうも劇場公開は来年らしいのだが既に有料配信はされているとか、、この現象、仕組みはジジイにはどうなっているんだか理解出来ない、、、。

パウェル大佐(ヘレン・ミレン)はイギリス軍将校、ある過激派のテロ集団の動向をロンドンから6年間追い続けている。そして無人偵察機が旋回するアフリカはケニアから送られて来た映像にその追い続けていたテロの一人を確認する。そこからいよいよ作戦開始、アメリカはネバダにあるドローン基地、その操縦室で無人機を操作する兵士たち、そしてロンドン市内に陣取るベンソン将軍(アラン・リックマン)更には軍の法律顧問やアメリカの軍事顧問たちを巻き込んで思いがけない”決死の作戦”となっていくのであります、、。

兎に角、最新鋭の技術を駆使してアメリカ、ロンドン、そして現地のケニヤを映像と音声で結び的確に指示を出して行くパウェル大佐の凛とした行動力が光ります。こんな最新式の武器があればテロの撲滅は容易に出来るんじゃないかい?と思わせるのだが、、。

そして街中の一軒家、其処へ集結するテロ集団、今度はその民家の近くに潜入している陸上支援部隊、、と言っても目立たないように一人だけ、、が操作する”鳥カメラ”で室内を探索、、すると自爆テロの準備か、小型爆弾をベストに仕立て身に着けている姿も確認出来る。こうなったらもう敵を捕獲している暇はない、直ぐにでも爆撃して撲滅しないと、、とそんな手に汗握る展開に、、。

アメリカ映画のようにここで地上部隊突入、っで銃撃戦とかにはならないのがイギリス映画、指揮を取るヘレン・ミレンと軍首脳部をとことん苦悩させる。その苦悩の元はこのテロ集団が集まる民家の塀の外へ物売り少女がママの焼いたパンを持って来てテーブルに並べ始めたのです、。ああああ~、、そのまま攻撃すればこの少女も巻き添え、やむ無く爆撃を一次中断、しかし内部ではお祈りも、別れの挨拶も終わっている様子、、ベストも着装して直ぐにでも目標に向かって出発して行く雰囲気が、その苦悩の決断がこの映画、最大のテーマとなっているのでした。

う~ん、この映画、実に奥が深い、それに配役も申し分ないし実にリアルだ、、軍部の秘密兵器をこんなに一般に披露しちまって良いのかと余計な心配をしたくらい。何処かの映画祭で何かの部門で賞にノミネートされてもおかしくないぞ。こんな映画を見たら過激派はどう思うのか?もうや~めたとはならないのか?アラーの神様だって人殺しは容認してないんだがなぁ~、、。

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