”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”シッピング・ニュース”(01年)

長い間見たいな~、、と思っていた映画、原題は”The Shipping News"、邦題はそのままカタカナ、でもこりゃ一体何の事なのかさっぱりだよ、、まあ原題も同じなので何のお話か判らないと言う点では同じなのだが。

主演がケヴィン・スペイシーケイト・ブランシェット、ジュリアン・モーア、それにジュディ・デンチにピート・ポステルウェイトと来たらこりゃ映画ファンは素通りは出来ない。確かゴールデン・グローブやイギリスのアカデミー賞にもノミネートされた秀作だった記憶があるぞ、、。

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原作を書いたのはE.アニー・ブルーと言う人で93年にピューリッツアー賞(フィクション部門)を受賞している。

最初の舞台はニューヨーク、新聞社で生産ラインのインク係りとして働くコイル(K.スペイシー)は仕事はちゃんとするものの自分の殻に閉じこもる性格で人とは余り接しないマイペースな人間だ。

フラッシュバックで何でそんな無気力で覇気のない性格になったのかが語られる。そんな彼がガソリンスタンドで知り合った通り掛りの女性(C.ブランシェット)と急速に恋に落ち結婚そして女の子を授かる。

奥さんのペタルはこりゃもう箸にも棒にも引っかからない性格の”尻軽女”でコイルに生後間もないバニーを押し付けちゃ他の男友達と遊び狂っている、、、そんなペタルだがある日、男友達とドライブ中に事故って亡くなってしまう。しかも娘のバニーを闇組織に6000ドルで売りつけている。

警察の仲介で何とか娘は取り戻したものの寡婦になったコイルは自身の両親も亡くし(此方は世を儚んでの心中)意気消沈、、訪ねてきた父親の異父妹アグニス(D.デンチ)と共に御先祖様が眠るニューファンドランドへ移住する決心をする。

此処からがこの映画の真骨頂、ニューファンドランド島の風光明媚な背景や寒そうな小さな町がカメラに捉えられていく。そしてその町で唯一、出版されている新聞社で採用して貰うべく出向くコイル、その最初に与えられた仕事が毎日港へ入港する船舶の動向を追い記事にしてコラムに掲載する事を命じられるのだ、、これがタイトルの”シッピング・ニュース”と言う訳だ。

そんなでニューファンドランドへ来てからはごく静かで平穏無事な生活振り、バニーは6歳で地元の保育園で遊ぶうちに園長のウェイヴィ(J.モーア)やその一人息子と知り合い家族ぐるみで交流を深めて行く、。そんな展開で余り大きな変化はない、しかし此処でもアグニスを演じるジュディ・デンチ、それと地元の新聞社で編集長を勤めるタート(ピート・ポステルウェイト)が実に巧い。

物語はこの4人によってずんずん進められて行く、もう主役はニューファンドランド自体がそうじゃないのか?と思うくらいですっかり目を奪われる風景だ。ボストンから更に北東へ渡りカナダ領になるのだがそのまま真っ直ぐ東へ進めばイギリス、、ちょっと進路を南に取ればスペイン、その昔、帆船に乗ってやって来たのがよく理解出来る。

最終的にはコイルとウェイヴィが何処に落ち着くか、、その落としどころを探る映画なんだがバニーもいるし向こうにも同世代の一人息子が、、でもあまり右往左往せずちゃんと収まるべきところに収まる映画でした。

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