”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”大統領の料理人”(12年)

同じようなタイトルが他にもあったような気がするのだが此方はフランス映画、原題は、”LES SAVEURS DU PALAIS”、、英語のタイトルは”Haute Cuisine"、でフランスの片田舎でレストランをやっていたオーナーシェフ、ホーテンス(カトリーヌ・フロ)のお話だ。

イメージ 1ある日パリの政府高官に呼び出され官邸にやって来るホーテンス、、何事かと思いきや時のミッテラン大統領の”プライベート・シェフ”になってくれないかと打診される。

もう殆んど有無を言わさずの一方通行命令、、”一体誰が私の事を推薦したんですか?”との問いかけに高官は”ジョエル・ロブビションだよ”と素っ気ない。うん、これは実在する有名なシェフじゃないか、、案の定、見終わって調べて見たらこれは事実に基づいた映画だった。モデルは実際にミッテラン大統領に仕えた初の女性シェフ・ダニエル・デルプシュだった。

面白いのは当初スカウトに来た高官に”ワタシは母や祖母から教わった家庭料理、それも田舎料理っきゃ出来ませんよ”と丁重にスカウト話を断ろうとするのだが、、”いや、まさに大統領が求めておられるのがそれなんだよ、、”っでフランスの大統領でも”おふくろの味”がお好きなのか、、と一体どんなお料理が出て来るのやら、と拝見していると、、’オイ、フランスのおふくろの味ってのはそんなのかぁ?”とビックリこける内容だった。腸詰料理やらやれラムだサーモンだ、、晩餐会に出る料理とそんなに違わないじゃないか?それに必ずデザートも、、それにワインは毎食のお決まり。やれやれ、、おっさん世代(そんなに違わないと思うのだが)が思い描くところのおふくろの味とは雲泥の差があるぜ、、。

幾らお国が違うとは言ってもやれお魚に、つけ合わせの野菜その他全部濃厚なソース仕立てだ。生野菜なんてモノは一切出て来ないしパン粉で揚げる料理もなさそうだ、、一つだけこりゃ食ってみたいかな、、と思わせた料理は大玉キャベツの葉っぱを剥がしてその間にサーモンを挟んでスープで煮込む料理、恐らくこれはフランスの田舎料理の一種だと思うのだがこれはちょっと試して見たかった。

イメージ 2
恐らくフランス人なら誰でも知っている”おふくろの味”的料理だとは思うのだが何処のレストランでもお目にかかった事はない。

このプライベートシェフはあくまでも何も予定がない時に活躍する調理人で朝昼晩と食事の準備をする。家族だけの場合もあるし一人キッチンの片隅でワインを飲む事もあるのだがそんな時でもトリフにフォアグラやキャビア、、日本人ならこんな場合は絶対にお茶漬けとか麺類じゃないか??と思うのだがそんなモノは一切なくひらすらチーズとか高カロリー、高タンパクで栄養価満点の料理が続くのだ、、。

じゃあプライベートじゃない時は?となるとそりゃもう正式な晩餐会やら外国からの公式訪問者をもてなす為に100人体制で大きな調理場が稼働している。映画はそんな調理場の中へ例えプライベートとは言え”男子厨房へ入るべからず”じゃなくて男子っきゃいない厨房へ放り込まれるホーテンスの苦悩が丁寧に描かれている。

ミッテラン大統領との直接のやり取りやその料理の数々、、楽しませてくれるのだが彼女の厨房での苦悩がイマイチ描き足りない。もっと感動作になっても良いのだが、、大厨房のシェフとの葛藤や手下になっているパティシエの若者などの活躍が何となく中途半端になってしまった。それにしてもフランスの大統領、、普段何もない時でもこんなにワインを飲んで栄養価の高いものばかり食っていると痛風にならないんだろうか??

これまでキャサリン・ゼータ・ジョーンズがNYで大評判のレストランでシェフ、メリル・ストリープはジュリア・チャイルドをやったしヘレン・ミレンもマダム・マローリーを演じている。究極は87年のデンマーク映画、”バペットの晩餐会”、これはお料理映画が”山盛り”あるなかでもかなりの秀作だった。

日本人としてはちょっと晩餐会が続いたし今夜は簡単に、と言う場合はチョイと軽く寿司でも摘むか、、とかもっと質素に手打ちそば、夏ならソーメンがいいかな、、とはならないんだろうか??安倍首相は絶対にこっちをやっていると思うのだが、。


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